第202回 多文化共創フォーラム<2026年6月27日(土)>リマインダー

第202回 多文化共創フォーラム(2026年6月27日(土))のお知らせ

多文化社会研究会の渡辺幸倫でございます。
4月にも一度、ご案内しましたが、予定通り研究会を開催いたします。

今回は、家族滞在の在留資格で成人後に来日した若者の経済的自立という問題に焦点を当てます。

ご参加の方は、渡辺まで(nabe1@hotmail.com)お知らせください。

日時:2026年6月27日(土)10:00〜11:30
会場:東京ボランティアセンター (飯田橋ラムラ10階)A会議室

プログラム>

*開会あいさつ:川村千鶴子(多文化社会研究会理事長)

*フォーラム
① 日本の制度と統計の概要(5分)
三谷純子「家族滞在と就労に関する日本の法制度と統計の概説」
② Aさんの背景と経験(15分)
三谷純子とAさん、アフガニスタンの状況の概説と、来日前後のAさんの状況、将来への希望、就職に向けた努力、家族の意見など
③ 支援の経緯と課題(3分)
三谷純子「Aさんへの支援を通して見えてきた課題」
④ 質疑応答・意見交換(30〜40分)

留意事項
Aさんの氏名・写真など、個人が特定できる情報はホームページ等で公開しません。

概要
日本では、外国人労働者が家族を呼び寄せるケースが増えていますが、17歳までに入国していなかった場合、日本での就労や経済的自立への道のりは大きく制約されます。制度上、家族滞在の在留資格は扶養を前提としているため、成人後に来日した若者が自立を目指す際には、制度・情報・社会環境など複数の課題に直面することになります。
 今回の研究会では、アフガニスタン出身のAさんのケースをもとに、

  • 日本の法制度や統計の概要
  • 来日前後の状況や将来への希望の変遷
  • 就職に向けた努力と家族の考えの変遷
  • 支援の経験から見えてきた課題

などを共有し、成人後に来日した家族滞在の若者の経済的自立に関する課題や支援の可能性について、参加者の皆様と意見交換を行いたいと考えています。

今回、Aさんの状況を紹介する三谷純子さんは、かつてユニセフの広報官としてアフガニスタンに約1年半勤務した経験があり、当時の社会状況や女性を取り巻く環境についても高い見識をお持ちです。ちょうどその頃、Aさんはまだ小学生から中学生くらいの年齢であったかと考えられます。今回の報告では、必要に応じて、アフガニスタンの政治状況や女性をめぐる社会環境についても簡単に触れながら、Aさんが置かれてきた背景を共有します。三谷さんご自身は、家族滞在の在留資格を持つ外国人の就労問題を専門に研究しているわけではありません。Aさんと偶然出会い、「あの頃、アフガニスタンのあの地域で子どもだった人に、日本で会うなんて」と感じたことをきっかけに、できる範囲で制度や就労の可能性について調べ、関係機関に問い合わせるなどの試行錯誤を続けてこられました。そのため今回の研究会では、Aさんのケースを一つの具体的な事例として紹介しながらも、多文化社会研究会の参加者の皆様、とりわけ外国人の就労支援や制度に詳しい方々からご助言をいただき、意見交換を行うことができればと考えています。

成人後に来日した家族滞在の若者が日本で経済的に自立していくためには、どのような制度や支援が必要なのか、またどのような予防策や社会的対応が考えられるのかについて、皆様と共に考える機会になれば幸いです。

皆様のご参加をお待ちしております。

多文化研副理事長
渡辺幸倫

ニューズレター:第201回多文化共創フォーラム「アサド政権崩壊後のシリア難民の本国帰還」振り返り

多文化研メディア班の増田隆一です。

先週の土曜日に開かれました「多文化共創フォーラム:アサド政権崩壊後のシリア難民の本国帰還」は、
盛況のうちに終わりました。

振り返りニューズレターです。

=ー=ー=ー=ー=

(発表者の伊藤寛了帝京大学准教授)

去る2026年5月23日(土)、東京ボランティア市民センターで行われた第201回多文化共創フォーラムでは、
帝京大学経済学部の伊藤寛了准教授による「アサド政権崩壊後のシリア難民の本国帰還」と題する発表が、
以下の流れで行われました。

*はじめに
*1.難民の帰還について
*2.帰還の意思決定をめぐる多層的構造
*3.フィールドワーク:トルコ調査の追体験
*おわりに

「はじめに」では、シリア難民の帰還を取り上げる背景、および帰還に関する国際的な規範が確認されました。
続く「難民の帰還について」ではシリア難民の規模、トルコに滞在するシリア難民の経年的な推移、
アサド政権崩壊後の帰還の動向について説明した上で、
次の「帰還の意思決定をめぐる多層的構造」においては、
難民が帰還への意思決定をどのように行うのかが、検討されました。

そこで発表者・伊藤准教授は、
①本国、②受入国、③国際政治、④再統合、⑤個人・家族、という視角から、
難民の意思決定は、<多層的な構造になっている>ことが示唆されると述べ、
これらの要因について分析が行われました。

その後、休憩を挟みフォーラムの後半では、
伊藤准教授がトルコで行ったフィールドワーク調査の概要が述べられました。
このパートでは、参加者が発表者の調査の足取りを追いながらフィールドワークを追体験できるよう、
地図や写真等の資料が用いられました。

「おわりに」では、発表の総括が行われたほか、
参加者から活発に出された質問への応答があり、
続いて自由な意見交換となりました。

(会場:東京ボランティア市民活動センター 意見交換の様子)

At the 201st Multicultural Co-creation Forum, held on Saturday, May 23, 2026, at the Tokyo Volunteer and Civic Center, Dr. Hiroaki Ito of the Faculty of Economics at Teikyo University delivered a presentation titled “The Return of Syrian Refugees to Their Homeland Following the Fall of the Assad Regime,” which proceeded as follows.

Introduction
1. On the Return of Refugees
2. The Multilayered Structure Surrounding the Decision to Return
3. Fieldwork: A Recap of the Fieldwork Survey in Turkey
Conclusion

In the “Introduction,” the background for addressing the return of Syrian refugees and international norms regarding return were confirmed. The subsequent section, “On the Return of Refugees,” explained the scale of the Syrian refugee population, the historical trends of Syrian refugees residing in Turkey, and the trends in return following the collapse of the Assad regime. In the following section, “The Multilayered Structure Surrounding the Decision to Return,” the presentation examined how refugees make decisions regarding their return. The presenter noted that this suggests refugee decision-making is embedded in a multi-layered structure viewed from the perspectives of (1) the home country, (2) the host country, (3) international politics, (4) reintegration, and (5) the individual and family, and an analysis of these factors was conducted. Following a break, the second half of the forum featured an overview of the presenter’s fieldwork conducted in Turkey. Maps, photographs, and other materials were used to allow the audience to follow the presenter’s research journey and relive the fieldwork experience. The session concluded with a summary of the presentation, and the presenter answered questions from participants throughout the event.

=ー=ー=ー=ー=

多文化研メディア班

増田隆一 拝