多文 化 社 会 研 究 会 ニ ュ - ズ レ タ - 118号

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Society for Multicultural Community Studies /Global Awareness

2012年10月1日

『 多文 化 社 会 研 究 会 ニ ュ - ズ レ タ - 118号』

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トピック:研究会のご案内(10月27日)

 

次回の研究会を10月27日に開催します。報告は2つです。第一は、東京外国語大学の長谷部美佳による「外国人の若者によるいちょう団地のまちづくり」と題した報告です。いちょう団地は、外国人住民の比率が2割、高齢化率も2割以上というところで、地域の外国人の若者が防災活動など地域貢献をする様子の報告になります。第二は、日本経済新聞社藤巻秀樹さんによる、「『移民列島』ニッポン――多文化共生社会を生きる」出版記念講演となります。人口減少問題の取材をきっかけに日本を支えてきた外国人の存在を知るようになったとおっしゃる藤巻さん。本を執筆された動機や、長年の記者生活から得た、移民問題への関心、そして移民問題の重要性などをお話くださり、またご承知の通り、この春連載された東京移民街の現状についてのご報告をくださる予定です。

 

場所:大東文化大学法科大学院 3階 第1会議室(JR総武線信濃町駅出口徒歩すぐ)

(こちらのHPをご覧ください)

http://www.daito.ac.jp/access/index.html

参加費:500円

 

①  報告:16:001650(質疑、議論も含む) 

発表者

長谷部美佳(東京外国語大学/多文化まちづくり工房)

タイトル

「外国人の若者によるいちょう団地のまちづくり」

 

要旨

神奈川県有数の外国人集住地域であるいちょう団地は、外国人世帯比率が2割を超えていますが、同時に高齢化率も高く、自治会の中には高齢化率30%を超すところもあります。祭りの設営などの地域行事は、外国人の若者なしには立ち行かなくなっています。こうした中、多文化まちづくり工房は、地域の防災リーダーとして外国人の若者を育て、災害時に多言語の情報発信をしながら、地域の高齢者を支えるような活動を進めています。こうした若者の地域への関わりのお話をしたいと思います。

 

②  報告:17:001830(質疑、議論も含む)

発表者

藤巻秀樹(日本経済新聞)

タイトル

『移民列島』ニッポン――多文化共生社会を生きる 出版記念講演」

 

要旨  

 本書は愛知県豊田市保見団地をはじめとするここ4年間の現場住み込み取材をベースに、日本の外国人労働者や留学生、難民、農村花嫁などの現状をリポートしたルポルタージュです。また日本の外国人政策の歩みを紹介するとともに、人口減少社会を迎えた日本の移民政策がどうあるべきかについても言及しています。
 講演では、この本を書いた動機など、30年以上に及ぶ記者生活を通じて何故、移民問題に興味を持ったのか、何故いま移民問題が重要なのかをまず話したいと思います。また記憶も鮮明な今年春に取材した東京の移民街の現状について詳しく触れたいと思います。
 直近で移民問題に関心を抱いたきっかけは、2006年の人口減少社会の取材です。前年の2005年、日本の人口は統計史上初めて減少に転じました。大騒ぎになりましたが、よく考えれば地方はその前から人口減少社会でした。地方に行けば、日本の未来が見えるとの発想で、地方を回り見たものは、日本人がやりたがらない3K の製造現場を支える日系ブラジル人や中国人研修生、嫁不足の農村に嫁いできたフィリピン人女性でした。消えた日本人の空白を埋めているのは外国人だったのです。
 政府は「移民」という言葉を使っていませんが、すでに日本に移民は数多く入ってきています。移民を受け入れるかどうかが議論になっていますが、そうではなく、地方の例が示すように、自然の流れで将来移民は入ってくる。入れなければ日本の国がもたないというのが僕の見方です。であるとすればどうするか、真の多文化共生社会に向けて私たちは今から準備をしなくてはならないのだと思います。

 

③  参加者意見交換会/次回の企画:18301900

 

※研究会後、懇親会を予定しています。奮ってご参加下さい。

※会場設営の関係上、お手数ですが、出欠を早めにお知らせいただけると助かります。