ニューズレター:第199回・多文化共創フォーラム「不動産取引における<外国人>と”高齢者”」振り返り

多文化社会研究会のみなさま

去る1月25日(日)の13時~17時、東京ボランティア市民センターにおきまして、「多文化共創フォーラム=不動産取引における<外国人>と”高齢者”」が開催されました。

会場には15名ほどの参加者が集まり、真剣なムードが張り詰めました。


フォーラムではまず基調講演として、(株)イチイ代表取締役の荻野政男さんが「取引の実態と、住まいの現場から考える共生・共創」というサブタイトルで、素晴らしいプレゼンテーションを行なって下さいました。

なぜ、いまこのテーマが日本社会の喫緊の課題なのか、実際の不動産取引の現場で具体的にどのようなやり取りがあり、どのような当事者がどう動いているのか、さらにはそういった経済活動を規定する法律が、どのような議論で作られているのか、解決すべき問題点=「外国資本による不動産取得の実態」「売買論の整理」「近未来の問題点」などが示され、実経験に裏打ちされたヴィヴィッドなお話は、息をつく暇がありませんでした。

テーマの輪郭が出席者に理解されたところで、「現状をデータで理解する大切さ」「国籍を起点にするのではなく、行為の本質や社会影響を注視する」「外国人と高齢者に共通する日本社会の未解決問題」などの発展的議論が示されました。

ディスカッションでは、「防災マニュアル」が思わぬ共通項として、社会制度設計上での共生・共創のカギになるといったヒントや、コミュニティとして内省する難しさなどが議論されました。

フォーラム第二部は、大野勝也理事によるプレゼンテーション「外国資本による不動産取得をめぐる実態と論点」で始まりました。

大野理事は、外国資本(個人と法人があるため)の不動産取得が問題となっているいま、研究テーマとしてこの領域を選んでおり、最新情報を集めている最中です。プレゼンテーションでは、「日本国内の不動産を外国資本が取得した例」についての、最も新しいデータが次々に示され、感情論や印象論ではない、科学的なアプローチが重要という、第一部で荻野さんが示された”問題認識の基本姿勢”が明示されていて、参加者を納得させるものでした。

現状分析のあとには、法的な問題点や、実際に公表されている資料の「穴」などが示され、今後の議論の方向と、さらなる研究が大切であるとの認識がありました。

この背景には、まさに昨年末から新年はじめにかけて、この分野で有識者会議や担当省庁とのやり取りが進んでいる真っ最中という、「政治的に動いている分野」ということがあります。

そういった「進行中の諸条件」についても、これから追跡する必要があるわけで、大野理事のプレゼンテーションの最後は「To Be Continued」で終わりました。

近々、同じテーマで<フォーラム続編>を企画しよう、という話題で、フォーラムは終了しました。

多文化研メディア班

増田隆一

=-=-=-=-=-=-=

Dear members of the SMCS,

On Sunday, January 25th, from 13:00 to 17:00, the “Multicultural Co-Creation Forum ~ <Foreigners> and <Elderly People’> in Real Estate Transactions” was held at the Tokyo Volunteer Civic Center, IIDABASHI, Chiyoda town.

Approximately 15 participants gathered at the venue, and the atmosphere was so tense and serious.

The forum began with a keynote speech by Mr. Masao Ogino, CEO of Ichii Co., Ltd., who gave a wonderful presentation with the subtitle, “Coexistence and co-creation from the perspective of the actual situation of transactions and housing.”

The presentation proceeded pointing up “Why is this topic an urgent issue for Japanese society right now?”, “ What kinds of interactions take place in actual real estate transactions, what kind of parties are involved, and what kind of laws govern such economic activities?”. The topics that need to be solved, such as “the actual situation of real estate acquisition by foreign capital,” “organizing sales theory,” and “the problems in the near future,” were presented, and the vivid stories backed by Mr. Ogino’s real experiences caught the audience breathless.

Once the outline of the theme was understood by the participants, advanced discussions were presented, including “the importance of understanding the current situation through data,’” “rather than focusing on nationality, pay attention to the essence of actions and their social impact,” and “unresolved issues in Japanese society that are common to foreigners and the elderly.”

During the discussion, the “Disaster Prevention Manual” was an unexpected common denominator, such as hints that it is the key to coexistence and co-creation in social system design, and the difficulty of self-reflection as a community.

The second part of the forum began with a presentation by a Director of Tabunkaken, Mr.Katsuya Ohno, named “The actual situation and issues surrounding real estate acquisition by foreign capital.”

Director Ohno has chosen this area as his research topic, as real estate acquisition by foreign capital (individuals and corporations) is becoming an issue, and he is currently gathering the latest information. In the presentation, the latest data on “examples of foreign capital acquiring real estate in Japan” were shown one after another, and the “basic stance on problem recognition” that Mr. Ogino had shown in the first part, which emphasized the importance of a scientific approach rather than emotional or impressionistic theories, was clearly demonstrated and convinced the participants.

After analyzing the current situation, legal issues and “the holes” in the actually published materials were pointed out, and there was an awareness of the future direction of discussion and the importance of further research.

The background to this is that from the end of last year to the beginning of the new year, this field was in the midst of ongoing negotiations with expert meetings and the relevant ministries and agencies, making it a “politically active field.”

It is necessary to keep track of these “ongoing conditions,” and Director Ohno closed his presentation with these words, “To Be Continued.”

The forum ended with the topic of planning a <following forum> on the same theme in the near future.

Media Team of SMCS
Ritchie MASUDA

第199回多文化共創フォーラム開催のお知らせ

各位

寒さ厳しき折、皆様いかがお過ごしでしょうか。

多文化社会研究会では、下記のとおり第199回多文化共創フォーラムを開催いたします。

今回のテーマは「不動産取引における<外国人>と”高齢者”」です。近年、国立公園の近くや環境保全地域などの土地に外国資本が流れ込み、問題化する一方で、日本に長く暮らす外国人が高齢化し、公的支援から取り残されるケースも見られます。

今回のフォーラムでは、こうした状況を踏まえ、

 ・テーマの本質とは何か?

 ・見誤ってはならない「危機感の混同」とは?

 ・現在の法制度はどう対応しているのか?

 ・より良い未来のために、何ができるか?

といった問いを共有し、皆さまと議論を深めたいと考えております。

皆様のご参加を心よりお待ちしております。

■第199回 多文化共創フォーラム

【日時】2026年1月25日(日)13:00〜16:00

【会場】東京ボランティア市民センター(飯田橋ラムラ10階)A会議室

【司会】増田隆一

【開会あいさつ】川村千鶴子

【基調講演】[不動産取引における<外国人>と”高齢者]

荻野 政男 氏

株式会社イチイ 代表取締役

公益社団法人 日本賃貸住宅管理協会 理事
国土交通省「地域価値を共創する不動産産業アワード」2025年優秀賞受賞

【第2部講演】[外国資本による不動産取得をめぐる実態と論点 その2]

大野勝也氏

実務家研究者、修士(社会学)、AFP、庭園デザイナー、多文化社会研究会理事
近年、日本における外国資本による不動産取得をめぐって、社会的関心と政策的議論が高まっています。2025年11月には、外国資本による不動産取引の実態把握を進めるよう首相から関係省庁に指示が出されるなど、政府レベルでも具体的な対応が動き始めています。しかしながら、実際に「どの程度の規模で」「どのような主体が」「どの地域・用途で」不動産取引を行っているのかについては、実態把握には至っていません。本講演では、政府、内閣府、国土交通省等が公表する政府統計や公開資料をもとに、外国資本による不動産取引の現状を整理します。その上で、取引の類型(居住用・投資用、事業用等)や地域特性、制度的枠組みを確認し、現在議論されている政策的対応の背景と、そこに内在する課題の所在を明らかにする。感情的・印象論的な議論に流されることなく、事実とデータに基づいた冷静な議論の土台を提示することを目的とします。  

【質疑応答】

登壇者とのQ&Aセッションを予定しています。皆様からのご質問を歓迎いたします。

【閉会あいさつ】長谷川礼

【参加費】会員:無料/非会員:500円

※お申し込み不要。直接会場にお越しください。

【主催】多文化社会研究会

どうぞお誘いあわせのうえご参加ください。

=ー=ー=ー=ー=

Subject: Announcement: 199th Multicultural Co‑Creation Forum (January 25)

Real Estate Transactions Involving Foreigners and the Elderly

Dear all,

We hope this message finds you well.

The Society for Multicultural Community Studies is pleased to announce its 199th Multicultural Co‑Creation Forum, scheduled for Sunday, January 25, 2026. This session will explore real estate transactions involving foreign residents and elderly homeowners, focusing on current challenges and implications for community development.

We warmly invite you to attend and encourage you to share this invitation with colleagues and friends.

<Forum Details>

Theme: Real Estate Transactions Involving Foreigners and the Elderly

In recent years, foreign capital has increasingly flowed into land near national parks and environmentally protected zones, raising concerns among local communities. At the same time, long‑term foreign residents in Japan are aging, and some find themselves left behind by public support systems.

This forum will examine:

-What is the core nature of this theme?

-What misunderstandings and mixed perceptions should we avoid?

-What does the current legal framework look like?

-What steps can we take for a better future?

Mr. Ogino will share insights from his professional experience in real estate, including trends, regulatory context, and practical challenges encountered in transactions involving foreign residents and senior property owners.

Date & Time: Sunday, January 25, 2026 — 1:00 PM to 4:00 PM

Venue: Tokyo Volunteer Center (10th Floor, Ramla Building, Iidabashi Station) A Conference Room

Part1 Speaker: Mr. Masao Ogino

Representative Director, Ichii Co., Ltd.

Director, Japan Property Management Association (a public interest incorporated foundation promoting professional rental housing management and healthy rental markets in Japan)

Recipient of the “Real Estate Industry Award for Co‑Creating Regional Value” from the Ministry of Land, Infrastructure, Transport

Participation Fee

Part2 Speaker: Mr. Katsuya Ohno

Director of SMCS, Financial Planner, Gardening Designer, CFO of his own Real Estate company.

Mr. Ohno’s speech shall be concerning about the Theme “The current situation and issues surrounding real estate acquisition by foreign capital: Part 2”.

Members: Free

Non‑members: 500 JPY

第198回多文化共創フォーラム「第五福竜丸を語る」の振り返り

皆様

1月8日(18時〜21時)、東京ボランティアセンターC会議室において、第198回多文化共創フォーラム「第五福竜丸を語る」が開催されました。黒田礼子氏(第五福竜丸展示館説明員)を講師としてお迎えし、貴重なご講演をいただきました。講演後は閉室時間、間際まで、熱のこもった質疑応答が交わされました。

当時の時代背景から、アメリカにおいて核実験が正当化されていく過程、太平洋の広範な地域においてもたらされた悲劇、そしてそれがなかなか語られず、一部は埋もれてしまった史実など、パネルや写真からも多くを学ばせていただきました。

日本においては、1954年3月1日アメリカから安全と告げられた海域でマグロ漁に従事していた第五福竜丸が被曝しましたが、その日は最後の漁と計画されており、翌日には帰国したということです。帰国後、乗組員は偏見と差別、健康被害に苦しみ、自らの体験を口にすることはほとんどなかったそうです。その中で一人、語り続けたのが当時20歳、冷凍士として乗船した大石又七さんでした。

紆余曲折を経て東京湾の夢の島(ゴミの島)に放置されていた第五福竜丸の展示館の建設が決まったのは、1954年春から1年余り続いた原水爆禁止署名運動の結果、実に3200万筆余りの署名が集められた草の根運動の成果でした。

本フォーラムにはカナダや中国からの留学生やユースの参加もあり、黒田氏は若い方々の意見に真摯に耳を傾けていらっしゃいました。まさに、未来へと語り継ぐ場としてのフォーラムでした。今回は、マーシャル諸島共和国のビキニ環礁における核実験の犠牲を伴う歴史を振り返りました。

              (多文化社会研究会 長谷川礼)

【リマインダー】多文化共創サロン<第五福竜丸を語る>

皆様2日前から、「トランプ氏、核兵器の試験再開を指示 過去30年ほど行われず」といった報道が飛び交っております。

<第五福竜丸を語る>  あまりにも時宜にかなったテーマになってしまいました。。。

どなたでも、当日参加も自由です。
皆様のご参加をお待ちしております。

すでにご参加を予定されている方は、以下からご連絡ください。

https://docs.google.com/forms/d/e/1FAIpQLScD2ANl_R6rypiduNj7lBoH0jqWKQXoh9g9GMaj11L7-UItRw/viewform?usp=header

<第五福竜丸を語る>

ビキニ事件は、1954年のアメリカによる水爆実験により、日本の漁船「第五福竜丸」が被曝した出来事です。この事件は日本社会に大きな衝撃を与え、反核運動や市民運動の契機となりました。当時の歴史的背景や社会的影響について振り返り、講師を囲んで、自由に語り合いましょう。

講師:黒田礼子 第五福竜丸展示館ボランティア
日時:2025年11月8日(土) 18:00~20:00
場所:東京ボランティア市民センターC会議室

ニューズレター:多文化共創サロン<第五福竜丸を語る>リマインダー

来る11月8日、すでにご案内の通り、多文化共創サロン<第五福竜丸を語る>、講師を囲んで自由に意見交換ができる場を設けました。

9月23日に何名かで展示館を訪ねました。その際、熱心に見学されていたアメリカ人の兄妹と言葉を交わす機会がありましたが、アメリカでも日本でもあまりにも知られていない、もっと多くの人に展示館に足を運んでほしいと語っておりました。

どなたでも参加自由です。

皆様のご参加をお待ちしております。

<第五福竜丸を語る>

ビキニ事件は、1954年のアメリカによる水爆実験により、日本の漁船「第五福竜丸」が被曝した出来事です。この事件は日本社会に大きな衝撃を与え、反核運動や市民運動の契機となりました。当時の歴史的背景や社会的影響について振り返り、講師を囲んで、自由に語り合いましょう。

講師:黒田礼子 第五福竜丸展示館ボランティア
日時:2025年11月8日(土) 18:00~20:00
場所:東京ボランティア市民センターC会議室

第197回多文化共創フォーラム「視えないものを可視化する-ヒバクシャと多文化共創、そしてウェルビーイング」振り返り=ニューズレター

2025年10月18日、第197回多文化共創フォーラムを明治学院大学で開催しました。フォーラムでは、川村千鶴子 多文化社会研究会理事長が「視えないものを可視化する-ヒバクシャと多文化共創、そしてウェルビーイング」と題する基調講演を行いました。

(基調講演を行う川村千鶴子理事長。
一人ひとりが地球の未来に向けて考えます)

今年は、日本の戦後80年、そしてヒバク80年の年に当たります。その80年後の世界ではSDGsに向けての取り組みが進む一方で、各地で紛争や分断が起こっています。基調講演では、川村理事長より、日本のヒバク、世界各地の核被害が人々や社会にもたらしてきた苦悩が伝えられ、人々のライフサイクルに沿ったオーラルヒストリーを通じて可視化されてきた「視えないもの」へのメッセージが語られました。フォーラムの後半では、川村理事長の基調講演を受けて、参加者の誰もが本音で語り、学び合いました。

(学生たちに語りかける関本保孝理事)

 本フォーラムには、多文化社会研究会(多文化研)のメンバーに加え、明治学院大学の大学院生と学部生、高校生の25名に参加いただきました。多世代の参加者に共通するのは、ウェルビーイングな多様性社会への関心です。学び合いの時間に、川村理事長から問いかけがありました。その一つは、「もしあなたが日本の首相だったら、トランプ大統領の訪日ではどこに連れて行きたいですか?」 川村理事長は「第五福竜丸展示館」、学生からも「沖縄県平和祈念資料館」という発言がありました。

(学生たちも率直な想いを伝え、世代を越えたフォーラムとなりました)

[フォーラム・オーガナイザーからのメッセージ]
 「フォーラムは、私が授業で教えてこなかったことを学ぶことのできる大事な機会となりました。平和でウェルビーイングな地球の未来への川村理事長の深い想いが伝わり、参加者からも新たな視点を共有いただいて、たくさんの気づきが生まれたように感じています。世代、専門、立場も多様な中で学び合うことのできる多文化研の素晴らしさを実感するフォーラムでした。」
多文化社会研究会 理事 明石留美子(明治学院大学)

「川村先生が移民政策や太平洋島嶼国に関する研究に長年従事してきたことを存じ上げていましたが、『ヒバクシャ』についても資料や語りから知見を深めておられ、好奇心を持ち続けることの重要性を、身をもって教えていただきました。フォラームでは、日本が核を保有すべきかについて、参加者の意見を聞く時間が設けられました。核保有に対して『どちらともいえない』若い世代を目の当たりにし、彼/彼女らが日頃抱えている不安と向き合うことから、平和に向けての歩みを進めていければと思います。」
多文化社会研究会 理事 加藤丈太郎(明治学院大学)

第197回多文化共創フォーラム リマインダー

第197回多文化共創フォーラム(10月18日 土曜日)が近づいてまいりました。

この度のフォーラムでは、川村千鶴子理事長が「視えないものを可視化する-ヒバクシャと多文化共創、そしてウェルビーイング」と題する基調講演を行います。

引き続き、戦後80年、被曝80年の節目に、参加者のみなさまと世界の平和やウェルビーイングについて語り合う研究会です。

多文化共創サロン「第五福竜丸を語る」開催のお知らせ

この度、多文化共創サロンとして、講師を囲んで参加者が車座で自由に意見交換ができる場を設けましたので、ご案内申し上げます。

皆様のご参加をお待ちしております。

<第五福竜丸を語る>

ビキニ事件は、1954年のアメリカによる水爆実験により、日本の漁船「第五福竜丸」が被曝した出来事です。この事件は日本社会に大きな衝撃を与え、反核運動や市民運動の契機となりました。当時の歴史的背景や社会的影響について振り返り、講師を囲んで、自由に語り合いましょう。

講師:黒田礼子 第五福竜丸展示館ボランティア
日時:2025年11月8日(土) 18:00~20:00
場所:東京ボランティア市民センターC会議室

第197回多文化共創フォーラムのご案内

多文化社会研究会のみなさま

残暑が続いておりますが、皆様にはますますご健勝のことと存じます。
この度、第197回多文化共創フォーラム(10月18日)を開催する運びとなり、ご案内申し上げます。

この度のフォーラムでは、川村千鶴子理事長に

「視えないものを可視化する-ヒバクシャと多文化共創、そしてウェルビーイング」

と題する基調講演を行なっていただきます。引き続き参加者のみなさまからご意見をいただき、戦後80年、被曝80年の節目に、質疑応答を超えて、参加者全員で考える研究会にできればと願っております。

日時: 2025 年 10 月 18 日(土) 15:00-17:00 (14:45 受付開始) 
会場: 明治学院大学 白金キャンパス
お申し込み :Google Form(https://forms.gle/3HpzKWZ7P2frnzex5)

Google Form の入力が難しい方は、問い合わせ先(加藤丈太郎 jotaro33@gmail.com)まで直接ご連絡ください 。

基調講演の概要や会場へのアクセスなどの詳細につきましては、恐縮ですが、添付のご案内状をご覧ください。

多文化共創フォーラム「視えないものを可視化するーヒバクシャと多文化共創、そしてウェルビーイング」

みなさまのご参加をお待ち申し上げます。

オーガナイザー
明治学院大学 加藤丈太郎 
明治学院大学 明石留美子

Dear Members of the Society for Multicultural Community Studies,
We are pleased to announce the 197th Multicultural Synergy Forum, scheduled for October 18th.
At this forum, Chairperson Chizuko Kawamura will deliver a keynote address titled “Visualizing the Invisible: Hibakusha, Multicultural Synergy, and Well-being.” Following this, we will welcome input from all participants. As we mark the 80th anniversary of the war’s end and 80 years since the atomic bombings, we hope this forum will become a collaborative study session where all attendees engage in thoughtful discussion.

Date and Time: Saturday, October 18, 2025, 3:00 PM – 5:00 PM (Registration opens at 2:45 PM)
Venue: Meiji Gakuin University Shirokane Campus
Registration: Google Form (https://forms.gle/3HpzKWZ7P2frnzex5)

For details on the keynote speech and venue access, please refer to the attached invitation file.
We look forward to your participation.

Organizers
Jotaro Kato, Meiji Gakuin University
Rumiko Akashi, Meiji Gakuin University

多文化共創フォーラム「視えないものを可視化するーヒバクシャと多文化共創、そしてウェルビーイング」

第196回多文化共創フォーラム「過去から未来へのバトン」振り返り

多文化研正会員のみなさま

 9月6日、第196回多文化共創フォーラムが東京・飯田橋の東京ボランティア・市民活動センターで開かれました。この日のテーマは「過去から未来へのバトン」~多文化共創の今後を問う、です。広島、長崎への原爆投下から80年という節目の年を迎える中、世界で核兵器使用の脅威が高まり、移民排斥の流れが強まっているとの認識のもとに今後の日本のあり方を考えることが今回のフォーラムの目的です。

 まず増田・多文化研副理事長が開会の挨拶、7月の参議院選挙を念頭に「日本でおかしな風が吹いている」と核保有や排外主義を訴える政治家が所属する政党の台頭に危機感を示す中、川村千鶴子理事長の講演が始まりました。「世界のヒバクシャとグローバル・テクノスケープの視座」と題して行われた講演では、マーシャル諸島ビキニ環礁での米国の水爆実験に着目し、世界のヒバクシャについて研究を進めてきた経緯が詳細に明らかにされました。川村先生が科研費補助金の研究代表者になって実施した「太平洋島嶼諸国における経済発展と環境問題」の研究成果やマーシャルに平和部隊の一員として派遣され、現地の女性と結婚した米国人との交流やトルーマン・ライブラリーを訪問した時の逸話などが語られ、参加者が興味深く耳を傾けました。ヒバクシャと家族の苦悩に寄り添ってきた立場から「核兵器の利点が議論されているが、人類にとって壊滅的な脅威であることを知らない人が多い」と指摘、核兵器の廃絶と原爆被害に対する国家賠償の必要性を訴えました。

(平木咲衣さん)

 10分間の休憩の後、9月下旬に早稲田大学大学院日本語教育研究科に進学する平木咲衣さんが「現地から見た日本語教育~国際交流基金パートナーズに参加して」をテーマに、ベトナムでの参加体験を報告しました。現地の小学校、中学校、高校の日本語の授業の様子が写真や動画を使ってリアルに再現されたほか、ベトナム人生徒が日本語で書いた作文も紹介されるなど大変興味深い報告でした。平木さんは北海道出身で、大学時代に日本語教員養成コースを受講、函館の水産加工業に従事するベトナム人技能実習生と交流したり、北海道東川町の日本初の公立日本語学校の調査研究を行ったり、地域の多文化共生に関わってきました。報告ではこうした経験も明らかにされ、大学院進学後の日本語教育に関する研究計画についても語ってくれました。平木さんの報告を受けて文部科学省日本語教育課の増田麻美子・日本語教育調査官が「日本語教育は大きな転換点を迎えている」と日本語教師が国家資格になった後の状況の変化を説明し、文科省が様々な対応策を取っていることが示されました。

(司会:藤巻理事)

 戦後80年に及ぶ原爆被害の歴史から日本とベトナムの関係の未来、外国人が急増する日本での多文化共創の今後。ヒバクシャと日本語教育という一見繋がりのないテーマでしたが、最後に閉会の挨拶をした貫隆夫・名誉顧問は排外主義を唱える政党が核抑止論にも言及していることを念頭に「二つは繋がりのあるテーマで、有意義な議論ができた」と述べ、フォーラムは終了しました。

(企画担当理事 藤巻秀樹)