2024年2月13日(火)16:30-19:00頃まで、しんじゅく多文化共生プラザにて、第182回多文化共創フォーラム「移民統合政策の国際比較と日本の課題」を開催しましたので、ご報告いたします。
平日の夕刻からの開催だったにもかかわらず、当日は、大学1年生を含む約30名の方にご参加いただき、会場はほぼ満席でした。
フォーラムは、川村千鶴子理事長の司会・開会の挨拶により始まりました。
開会の挨拶の後、近藤敦先生(名城大学教授)による基調講演が行われました。
基調講演では、まず、「外国人」の「権利」保障を比較する「移民統合政策指数(MIPEX: Migrant Integration Policy Index)」や「外国生まれの人」の「実態」を比較する「移民統合指標 (Indicators of Immigrant Integration)」を用い、各分野(労働市場参加、永住、家族呼び寄せ、帰化、差別禁止に政治参加、教育、保健医療が徐々に追加)における日本や韓国の特徴を主要「移民国家」と比較しながら、丁寧にご説明いただきました。








その後、国の移民統合政策を比較するMIPEXとは異なり、自治体の統合政策を比較する「インターカルチュラル・シティ指数」を用い、浜松市や神戸市に焦点をあて、各自治体の政策評価についてお考えを共有していただきました。
最後は、最新のMIPEX2020やこれまでの日本の施策(多文化共生推進プランなど)を中心に、分野ごとに掘り下げながら、日本の特徴と課題を明らかにし、今後の展望として、「共生」政策の理念を明確にする必要があること、「支援」中心から「多様性」と「交流」へシフトさせる必要があることなどをお話していただきました。
基調講演の中では、計2回各20分の質疑応答の時間を設け、自治体、研究者、ジャーナリストなど、様々な視点からたくさんの質問が出されました。
フォーラムは、増田隆一副理事長の閉会の挨拶でお開きとなりました。
ご多忙のところ、貴重な資料をご用意ならびに共有していただき、約2時間半にわたってお話をお聞きする機会をいただきました近藤敦先生、本当にありがとうございました。
多文化研では、またこのような会を設けて、引き続き、社会統合についても理解を深めていきたいと思います。
土田千愛(多文化研企画担当理事、東京大学特任助教)
Chiaki Tsuchida (PhD.)
Project Assistant Professor
Collaborative Research Organizaion for Future Regional Society
The University of Tokyo
★2024年1月に単著を上梓いたしました。
