多文 化 社 会 研 究 会 ニ ュ - ズ レ タ - 87号

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  Society for Multicultural Community Studies /Global Awareness 
                                2008年6月16日
      『 多文 化 社 会 研 究 会 ニ ュ - ズ レ タ - 87号』
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トピック:次回研究会(6/21)

<ごあいさつ>

 梅雨の季節となりました。どこに行くにも傘が手放せない今日この頃ですがいかがお過ごしでしょうか。

 前回(5月24日)の研究会では二つの報告がありました。

 まず武田里子さんが「在留資格認定証明書申請時の韓国人への漢字名強制について」、入管法上の規定ではないにもかかわらず、法務省の内規で、韓国人の名前を漢字で書かせる窓口「指導」の実情を報告してくださいました。外国人登録制度の改正が予定されている情勢下で、外国人「管理」制度について考える機会となるタイムリーな報告でした。
 河合優子さんはこの4月に出版された『ディアスポラと社会変容』(武者小路公秀監修、国際書院)を紹介してくださいました。特に「ディアスポラ」と「親密圏」の概念を中心に、理論的な課題が提起されました。これらは移民研究の分野で最近関心が高まっている概念であり、出席者間で活発な討論が行われました。

 さて、次回(6月21日)の研究会は、3つの発表が予定されています。いつもより一時間早めて、午後一時からの開始です。飲物・お弁当などは各自ご持参ください。

 前半は、異文化の接触、受容、葛藤の過程を共通の視点として、はじめに、小林真生(早稲田大学大学院博士後期課程)から、「異文化受容過程における社会の寛容性向上への可能性 ―北海道稚内市と富山県射水市の事例から―」と題した発表を、次に、堀内康史(大東文化大学 非常勤講師)さんから「『日本人』と『外国人』との接触のメカニズム―都市とメディアの作る人間関係―」についてお話いただきます。

 後半は、上原伸一さん(元朝日放送、パラオ専門家、現在国士舘大学客員教授)から、「2008年4月 トンガとサモアでの講演と調査旅行」の報告をしていただく予定です。

<次回研究会のお知らせ>

日時:2008年5月24日(土)午後1時~5時半(いつもより一時間早い開始です)
参加費:会員無料、会員外500円
場所:大東文化大学法科大学院(信濃町校舎)(JR信濃町駅下車、信濃町駅ビル3階)

1) 午後1時から2時半ごろ

発表者:小林真生(早稲田大学大学院アジア太平洋研究科 博士後期課程)
テーマ:「異文化受容過程における社会の寛容性向上への可能性 ―北海道稚内市と富山県射水市の事例から―」

概要:私は2007年夏にロシア人が多く上陸し、中国人研修生が多く暮らす北海道稚内市とロシア人が多く上陸し、彼らを顧客としてパキスタン人が中古車店舗を構え、町中には日系ブラジル人と中国人研修生が多く暮らす富山県射水市(中でも旧新湊市地域)の二つの小規模地方都市において対外国人意識に関するアンケート調査・面接調査を行なった。その中で、両地域において外国人は「顔の見えない」状態に置かれており、問題の背景として相互理解に必要な情報が日本人、外国人双方に伝わっていないことや、地域住民の交流や様々な活動の核となっている町内会が活用されていないこと等が見えてきた。これらの状況を改善していくことは、日本人と外国人が共に形成している地域社会の変容が求められるといえるが、それは地域社会ばかりでなく日本社会全体の成熟へと繋がっていくのではないだろうか。

【自己紹介】私が育ったのは1980年代後半からアジア人労働者や日系南米人が多く集住してきた群馬県太田市である。その地域では来日する外国人が変わっても、彼らに対する「まなざし」に変化はなく、彼らに対する偏見も強く、地域社会と外国人の関係は良好ではなかった。それと似た状況が日本各地に広がっていることを知り、「日本の地域社会における対外国人意識」を研究の対象とし、意識改善に向けた方法を探るようになった。

2)2時半から4時ごろ

発表者:堀内康史(大東文化大学 非常勤講師)
テーマ:「『日本人』と『外国人』との接触のメカニズム―都市とメディアの作る人間関係―」

概要:発表者は、どのような要因によって、「日本人」は「外国人」を排除し、あるいは「外国人」とつながっていくようになるのか、という問題に関心を持ち続けてきた。
 2003年の新宿区での調査結果から、外国人の多い地域では、外国人への排他的意識は高くなり、また外国人との人間関係も増加したり深まったりする傾向は見出せなかった。一部の先行研究では、都市度の高い(外国人人口の多い)地域では外国人に対し寛容になるという結果も見られたが、新宿区のデータからはそれとは逆の結果が見られた。
 また他方で、個人的な人間関係ができると、外国人に対する偏見などが解消されることが期待されていたが、そうならない事例も報告され、人々が外国人にどのような意見・イメージをもつのかはメディアを通して形成される部分も大きいと考えられる。
これらの地域的な要因とメディアによる要因とを合わせて考察することにより、これらの人間関係の包括的な説明を行うことが発表者の最終的な目的である。
 今回の発表は、上記のこれまでの研究結果を踏まえ、今年度行う予定の調査枠組みを提示し、皆様からご意見をいただき、研究の意義を検討する機会にさせていただきたい。

3)4時から5時半ごろ

発表:上原伸一 (元朝日放送、パラオ専門家、現在国士舘大学客員教授)
テーマ:2008年4月 トンガとサモアでの講演と調査旅行

概要:太平洋地域における著作権、民主化、環境問題など、変化するポリネシアの国を紹介します。この4月に撮影した最新の美しい画像をご披露いたします。

ニュースレター86号

 
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  Society for Multicultural Community Studies /Global Awareness 

             2008年5月20日

      『多 文 化 社 会 研 究 会 ニ ュ - ズ レ タ - 86号』
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トピック:次回研究会(5/24)

<ごあいさつ>

 ニュースレターの発行が直前になって申し訳ございません。暖かい日があったと思ったら急に冷えたりと、体の負担のかかりやすい気候ですが、いかがお過ごしでしょうか。

 前回(4月26日)の研究会では、小澤弘教さん(国際基督教大学大学院博士後期課程)に、「留学生と寮文化―ICUグローバルハウスにおける日常から―」と題した発表をしていただきました。ネイティブ人類学という視点から、実際に寮のチューターとして1年間住み込んだ経験からさまざまなエピソードを交えて報告いただきました。近年はどこの大学でも留学生の存在は大きなものとなっているようです。いろいろな面で示唆に富んだものでした。

 さて、次回(5月24日)の研究会は、前半に武田里子さん(日本大学大学院博士後期課程)をお招きし、「在留資格認定証明書申請時の韓国人への漢字名強制について」と題した発表をしていただきます。

 後半は、河合優子さんから、近刊の武者小路公秀監修『ディアスポラと社会変容』国際書院の紹介と解説をしていただく予定です。

<次回研究会のお知らせ>

日時:2008年5月24日(土)午後2時~4時半

参加費:会員無料、会員外500円

場所:大東文化大学法科大学院(信濃町校舎)(JR信濃町駅下車、信濃町駅ビル3階)

1.研究発表
発表者:武田里子(日本大学大学院 総合社会情報研究科 博士後期課程(国際情報専攻))

テーマ:在留資格認定証明書申請時の韓国人への漢字名強制について

内容:私は2005年3月まで新潟県にある大学で留学生担当として働いておりました。その間、毎年100件を越える留学生のビザを申請していましたが、今回は、その業務の中で直面した韓国人の名前に関する入管とのエピソードをもとに、日本の入管制度の矛盾について報告します。事例は、在留資格認定証明書の申請書に漢字がない韓国人の名前を漢字で書かなかったために申請書が受理されなかったというものです。韓国人の申請に漢字名を求めているのは、入管法上の規定ではなく法務省の内規で、法務省は「協力事項」だといいますが、入管窓口では強力な「指導」が行われており、実質的には強制です。 

2.著作紹介

紹介者:河合優子さん(東海大学)

著書名:武者小路公秀監修『ディアスポラと社会変容』国際書院の紹介 

 本書は、2007年2月に大阪経済法科大学アジア太平洋研究センターで行われた「移住者の人権と多文化共生を目指して―アジアとアフリカのディアスポラの比較」という国際シンポジウムをまとめた報告書である。単なる内容の再現に終わらず、編集者による解説、シンポジウム参加者によるコラムにより、シンポジウムをより深めて理解できるような構成になっている。本書の中心テーマである移住そして人種主義は、多文化共生に密接に関わる問題である。本書の紹介を通して、多文化共生の理論的課題について考えていきたい。

多 文 化 社 会 研 究 会 ニ ュ - ズ レ タ - 85号

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  Society for Multicultural Community Studies Global Awareness 
                                    2008
420
      『 85
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トピック:次回研究会(4/26

<ごあいさつ>
 ずいぶんと暖かい日が増えてきましたが、いかがお過ごしでしょうか。

 前回(329日)の研究会では、森田京子さん(青山学院大学)から長野県の小学校でのブラジル人転校生たちの日常体験と異文化間学校適応の研究結果「在日ブラジル人児童の学校適応: 非集住地区の事例」と題して発表していただきました。エスノグラフィーの方法論自体も大変興味深いものでしたが、ブラジル人転校生たちの日常のありさまがよく伝わってくる研究でした。調査にあたっての苦労話も研究発表に更なる深みを与えているという印象を受けました。

 さて、次回(426日)の研究会は、いつもの大東文化大学信濃町キャンパスで行われます。小澤弘教さん(国際基督教大学大学院博士後期課程)をお招きし、「留学生と寮文化―ICUグローバルハウスにおける日常からと題した発表をしていただく予定です。

 その後、留学生教育の観点から藤田ラウンド幸世さん(ICU、桜美林大学)に、入管政策の観点からのコメントを明石純一さん(筑波大学)に方向性を示していただき、全体での議論へと進めたいと思います。

 

<次回研究会のお知らせ>

 

日時:2008426(土) 午後2時~4時半
参加費:会員無料、会員外500
場所:大東文化大学法科大学院(信濃町校舎)(JR信濃町駅下車、信濃町駅ビル3階)
発表者:小澤弘教(おざわ・ひろのり)

国際基督教大学大学院 行政学研究科 博士後期課程 文化人類学専攻(先住民族研究)

タイトル「留学生と寮文化―ICUグローバルハウスにおける日常から

内容:国際基督教大学(ICU)には、多くの留学生・帰国子女が在籍している。多くの留学生たちが、アパートを借りるなどして通学しているのに対し、学内に隣接する学生寮に住む者も多い。特に、グローバルハウスには他の寮よりも圧倒的に多い留学生が居住している。一見、文化や言語、習慣の違いなどから、留学生は日本人の学生と相容れない部分があると見られがちである。しかし、彼/彼女らが、寮という空間で、日本人の学生たちと食と住を共にするとき、お互いの文化的差異が混ざり、独自の「寮文化」とも呼ぶべきものが生まれているように思われる。今回は、ICUグローバルハウスでチューター(相談役)を1年間務めてきた私の経験を踏まえ、留学生と日本人学生が長い時間を共有する寮の中で、どのような文化的営みが為されているのかを、簡単ではあるが紹介したい。

 

以上

多 文 化 社 会 研 究 会 ニ ュ - ズ レ タ - 84号

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  Society for Multicultural Community Studies Global Awareness 
                                    2008
313
      『 84
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トピック:次回研究会(3/29

<ごあいさつ>
 春の近づきを実感する日が多くなってきましたが、いかがお過ごしでしょうか。

 前回(226日)の研究会では、まず、安里和晃 (龍谷大学社会科学研究所)さんから「介護従事者としての移住労働者と結婚移民」と題し、豊富な現地調査に裏打ちされた詳細を報告いただきました。その後、宣元錫(中央大学)さんに日本の外国人介護労働者受け入れについて簡単に論点整理をして頂いた、出席者間での意見交換を行いました。参加者それぞれの立場から現状の認識や今後の見通しなど幅広い議論となり、大変有意義なものとなりました。

 さて、次回の研究会は 森田京子さん(青山学院大学)から長野県の小学校でのブラジル人転校生たちの日常体験と異文化間学校適応の研究結果「在日ブラジル人児童の学校適応: 非集住地区の事例」と題して発表していただきます。

 

<次回研究会のお知らせ>

場所がいつもの大東文化大学信濃町校舎ではないのでご注意ください。

日時:2008329( 午後2時~4時半
参加費:会員無料、会員外500
場所:筑波大学東京キャンパス G502教室
住所 112-0012東京都文京区大塚3-29-1
交通 東京メトロ丸ノ内線「茗荷谷(みょうがだに)」駅下車徒歩約3

当日の開催場所等に関するお問い合わせ(明石:090-3520-5515

 

発表者:森田京子さん(青山大学)

題目:「在日ブラジル人児童の学校適応: 非集住地区の事例」

概要:長野県の公立小学校での長期集中的なエスノグラフィーによって見えてきた、ブラジル人転校生たちの日常体験と異文化間学校適応の研究結果を、昨年刊行された『子どもたちのアイデンティティー・ポリティックス: ブラジル人のいる小学校のエスノグラフィー』を基に発表します。

 

発表者紹介

森田 京子     Kyoko Morita, Ph.D.
ペンシルベニア大学大学院修了  教育人類学博士   

University of Pennsylvania, Graduate School of Education, Philadelphia PA

Ph.D. in Educational Anthropology, 2002

修士課程で社会言語学、異文化コミュニケーション等を学んだ後、博士課程でフレデリック・エリクソン博士の指導の下、アーバン・エスノグラフィーの訓練と論文指導を受ける。専門は文化人類学と社会人類学で、主に日本社会のエスニック・マイノリティーを研究している。特に、定住マイノリティーのエスニシティー、アイデンティティー、文化適応プロセス等に関心がある。現在、青山学院大学大学院(「エスノグラフィック・メソッド入門」)等で非常勤講師を務める。

著書・論文:
(2002)  Negotiating identity politics: Exploring Brazilian children’s experiences at a Japanese school.  Ann Arbor, MI: UMI Dissertation Services.
(2004) 「アイデンティティー・ポリティックスとサバイバル戦略:在日ブラジル人児童のエスノグラフィー」, 『質的心理学研究』第3, pp. 6-27. 新曜社
(2005) 「エスノグラフィー」, 『教育研究ハンドブック』, pp. 80-91. 世界思想社
(2007) 『子どもたちのアイデンティティー・ポリティックス: ブラジル人のいる小学校のエスノグラフィー』 新曜社

 

 以上

多 文 化 社 会 研 究 会 ニ ュ - ズ レ タ - 83号

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  Society for Multicultural Community Studies Global Awareness 
                                    2008
205
      『 83
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トピック:次回研究会(2/26

<ごあいさつ>
 毎日寒い日が続きますが、いかがお過ごしでしょうか。

 前回(1222日)の研究会では、まず、藤田ラウンドさんから新宿で育つバイリンガル・マルティリンガルの子どもたち」と題し、近刊予定の『多文化共生論』(川村千鶴子編著)に発表予定の内容についてお話いただきました。続いて明石純一さんの「シンガポールの外国人受け入れ政策」では、実地の調査を踏まえシンガポールの「理想的な」移民政策の詳細をご報告いただきました。いずれも示唆に富んだ発表で、参加者のそれぞれの専門分野へのヒントとなったのではないでしょうか。

 2つの研究発表の後、2007年度の会計報告、及び総会を開催いたしました。詳細は既にメールでご報告したとおりですが、主な点としては、代表を川村千鶴子さんから宣元錫さんへの交代、理事の入れ替えなどが決まりました。

 

 次回の研究会は 介護のグローバリゼーションをテーマに、安里和晃 (龍谷大学社会科学研究所)さんから「介護従事者としての移住労働者と結婚移民」、その後宣元錫(中央大学)さんに日本の外国人
介護労働者受け入れについて簡単に論点整理をして頂いた上で、出席者間での意見交換を行いたいと思います。

 

<次回研究会のお知らせ>

 

日時:2008226(火) 午後2時~4時半
参加費:会員無料、会員外500
場所:大東文化大学法科大学院(信濃町校舎)

テーマ:多文化共生政策を考える(2時から4時)

1) 安里和晃 さん「介護従事者としての移住労働者と結婚移民」

 移住労働の女性化は家事・育児・介護の国際移転によってもたらされていると考えられているが、結婚移民も介護従事者として統合されつつある。この報告では東アジア諸国を事例に、現状と制度について検討することとしたい。

 

) 宣元錫さん「日本の外国人
介護労働者受け入れについての論点整理」および意見交換

 

 以上

多 文 化 社 会 研 究 会 ニ ュ - ズ レ タ - 82号

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  Society for Multicultural Community Studies Global Awareness 
                                    2007
1207
      『 82
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トピック:次回研究会(12/22)、総会のお知らせ(12/22

<ごあいさつ>
 すっかり日も短くなり、寒さも本格的になってきましたが、いかがお過ごしでしょうか。

 前回(1111日)の研究会では、イ・ホヒョンさん(早稲田大学非常勤講師)から、子どもを新宿区内の保育園・幼稚園に送る韓国人養育者の教育観について、ご自身の経験も交えながらお話いただきました。その後は、当会のメンバーでもある共住懇の山本重幸さんを囲んで新宿の今について語りあい、とても有意義な時間となりました。

 

 さて、次回は藤田ラウンドさんの新宿で育つバイリンガル・マルティリンガルの子どもたち」と明石純一さんの「シンガポールの外国人受け入れ政策」2つの研究発表の後、2007年度の会計報告、及び総会を開催いたします。

 

<次回研究会のお知らせ>

 

日時:20071222(土) 午後2時~4時半
参加費:会員無料、会員外500
場所:大東文化大学法科大学院(信濃町校舎)(JR信濃町駅下車、信濃町駅ビル3
階、日曜用の入場経路は添付ファイルをご参照ください)

1.研究発表 テーマ:多文化共生政策を考える(2時から4時)

1) 藤田ラウンド 「新宿で育つバイリンガル・マルティリンガルの子どもたち」 

 バイリンガルの子どもをめぐっては、1970年の高度成長期を背景に海外で教育を受ける日本国籍の二言語話者の子どもたちが「帰国子女」という文部省の用語で社会的に認知されるようになった。さらに、1980年のバブル期を背景とした日本の「国際化」志向により、日本社会の中での英語教育がいわゆる「バイリンガル」になることと結びつく文脈が生まれ、21世紀になった現在においてまで「英語」の優位性とバイリンガルのイメージが切り離すことが出来ない状況にある。

 日本の国際化のイメージのもとに作られた「バイリンガル」とはしかし、日本国籍者が母語である日本語に加えて別の言語を身につけることが想定されているわけであり、「バイリンガル」本来の「二言語使用者」という概念とはかけ離れている。では日本では日本国籍者以外の日本社会に存在する二言語使用者は「バイリンガル」ではないのだろうか。

 本発表では、今後の日本社会に存在する「バイリンガル」をめぐる議論のために、改めて二言語を身につけることがどのようなものかを新宿区で「二言語話者」となった子どもを事例として取り上げ、「バイリンガル」をめぐる論点を洗いなおしてみたい。

 

2)明石純一    「シンガポールの外国人受け入れ政策」

  本報告は、200711月に実施したシンガポールにおける現地調査の結果にもとづき、その外国人受け入れ政策の制度的特質と受け入れ実態を検討するものである。シンガポールは、外国人を労働力(人手)として、あるいは高度人材として受け入れてきたアジアの老舗といえる。

 順調に経済発展を遂げてきたこの都市国家は、国内労働力が早い時期に枯渇し、外国人の受け入れにおいて日本や韓国、台湾といった国や地域に先んじたのである。それゆえにシンガポールは、 どのような基準にもとづいて外国人を受け入れるのか、多様なエスニックや出自をいかに包摂し調和的社会をいかに実現するのかといった問いに、これまで絶え間なく直面してきた。

 本報告では、シンガポールにおける外国人受け入れ問題の概要を述べつつ、特にその政策動向と実態的側面を明らかにしたい。加えて、外国人労働者の権利や待遇をめぐり、市民社会的な意識が局所的ながら高揚している点も指摘する。

 

2.多文化社会研究会 2007年度 総会(4時から4時半ごろ)
 1)会計・活動報告      堀内康史

 2)2008年度にむけて    川村千鶴子

 

以上

多 文 化 社 会 研 究 会 ニ ュ - ズ レ タ - 81号

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  Society for Multicultural Community Studies Global Awareness 
                                    2007
1024
      『 81
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トピック:次回研究会(11/11)のお知らせ

<ごあいさつ>
 秋らしい気持ちの良い日が続きますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
 前回923日の研究会では、佐々木てるさん(筑波大学)から、「グローバル時代
における国籍とパスポート」と題して、一見個人的で主観的な国籍変更が、いかに社
会的事実として現代社会を反映しているのかといった論考を、宣元錫(ソン ウォン
ソク)(中央大学)からは、「韓国におけるネオ・リベラルリズム外国人政策の成
立」と題して、韓国の総合政策としての外国人政策について、今年4月に制定された
「在韓外国人処遇基本法」の解説を加えながら検討していただきました。
 次回は、イ・ホヒョンさん(早稲田大学非常勤講師)から、子どもを新宿区内の保
育園・幼稚園に送る韓国人養育者の教育観について、ご自身の経験も交えながらお話
いただきます。その後は、当会のメンバーでもある共住懇の山本重幸さんを囲んで新
宿の今について語り合うという予定です。
 みなさまお誘い合わせの上、ご参加ください。

<次回研究会のお知らせ>
 
日時:20071111(日) 午後2時~6
参加費:会員無料、会員外500
場所:大東文化大学法科大学院(信濃町校舎)(JR信濃町駅下車、信濃町駅ビル3
階、日曜用の入場経路は添付ファイルをご参照ください)

1.イ・ホヒョンさん(早稲田大学非常勤講師)

「新宿区内の保育園・幼稚園に子どもを送る韓国人養育者の教育観 -多文化社会で
の子育てが持つ養育者への影響を中心に-」

  多文化・多民族化する保育園・幼稚園の教育課題の研究は、これまで具体的な観
察に基づく子どもたちの成長過程を考察したものが大半で、異文化の中で子育てをし
ている外国人の養育者を対象とするものは極めて少なかった。就学前の子どもの教育
には、子ども自身の考えや希望等よりも養育者の主観、あるいは教育観が最も強く影
響する。そこで本研究では、異文化のなかでの子育てを養育者自身にとってのノン
フォーマルな教育の場としてとらえ、成人教育の観点をも含めた上で、異文化の中で
の子育てを通した、養育者のアイデンティティの変化を考察し、直面している教育課
題を提示していきたい。

2.住懇の山本重幸さんを囲んで新宿の今を語る
 後半は、イ・ホヒョンさんの発表への山本重幸さんのコメントを出発点に、出席者
それぞれの新宿観を語り合いたいと思います。