ニューズレター:多文化共創フォーラム「多文化共創とメディアの役割」

多文化研会員のみなさま

SNSが普及した今日、自分と似たような意見や情報ばかりに接触することによる意見の先鋭化(右派はより右派に、左派はより左派に)が世界的に指摘されています。2024年、欧州の国々では反移民を掲げる極右政党が躍進し、アメリカでは移民に不寛容なトランプ氏が大統領に返り咲くなど、移民や難民をめぐる国際世論が厳しさを増しています。この世界的な流れは、外国人の受入れが拡大している日本社会においても、注視すべき事象と考えられます。今回のフォーラムではメディアに焦点を当て、現代の社会におけるSNSの影響を分析するとともに、新聞やテレビなど既存のメディアが多文化共創を推進する上でどんな役割を果たすことができるかを考えます。

 日時:2025年2月23日(日)13時〜16時

 場所:カイ日本語スクール

 東京都新宿区大久保1丁目15−18(JR新大久保駅から徒歩5分)

①  基調講演「難民とメディア」

講師 大茂矢由佳(埼玉大学学術院・教養学部大学院講師)

日本のメディア空間において、難民はどのように語られてきたのかという点について、ツイッター(現X)の日本語による投稿内容の量的分析から得られた知見を報告します。また、メディア接触による意識変容の有無を検証したサーベイ実験の結果から、日本人のメディア利用と対難民意識について考察します。メディアを偏見を助長するツールとしてではなく、理解を促進するためのツールとして活用していく道を模索・議論する機会にしたいと思います。

講師:大茂矢由佳さん

司会・討論者 藤巻秀樹(元日本経済新聞編集委員、元北海道教育大学教授)

藤巻秀樹多文化研理事

②  パネルディスカッション「多文化共創とメディア」

登壇者 増田隆一(多文化研副理事長) 大茂矢由佳 藤巻秀樹

 基調講演も踏まえ、多文化共創社会におけるメディアの課題と役割を議論します。

埼玉県戸田市では、SNS上でクルド人排斥を主張する情報が広がり、社会問題となっています。英国でも反移民感情をあおる偽情報がSNSに出回り、これをきっかけに大規模な暴動が各地で起こりました。SNSではターゲットを絞り、不安や怒りをあおれば、いとも簡単に人々の考えが誘導されてしまうという危うさがあります。移民や難民は社会に不満を持つ人々の標的にされやすい傾向があり、SNSはともすれば多文化共創社会の大きな妨げになりかねません。こうした時代において多文化共創を促す正しく、公平な情報発信をするにはどうしたらいいのか、新聞やテレビなど既存のマスメディアも含めたメディアの役割を考えます。

参加申し込みフォーム:https://forms.gle/Ee3Pajkk7c2Ggrad7

会場のカイ日本語スクールには、ある程度の定員があり、参加希望者が大幅に多数となった場合には、制限を加える場合があり得ます。
そのときは、Zoomによる視聴参加の検討を行います。

参加申し込みはお早めにお願い致します。

多文化研メディア班
増田隆一 拝

(増田隆一)

フォーラム「多文化共創とメディアの役割」チラシ

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  1. ピンバック: 2025年1月26日多文化研フォーラム 「多文化共創社会に向けた外国人支援・相談の現状と課題」の振り返り | 多文化社会研究会

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