<第189回多文化共創フォーラム>の報告

 昨年末の12月28日に東京ボランティアセンターにて、第189回多文化共創フォーラムが開催されました。まず、松本いく子理事から「忘れられた戦争の傷跡と修復ー沖縄からマーシャル諸島に渡った具志忠太郎の軌跡から-」の発表があり、マーシャル諸島の植民地期、核実験、余り知られて来なかった日本出身の具志忠太郎氏の献身などを御紹介していただきました。不勉強ゆえ知らないことも多かったのですが、植民地時代のマーシャル諸島と他地域との共通性が明らかとなり、独立後は旧宗主国や核実験を行ったアメリカとの関係修復に向き合ってきたことなどは印象的でした。

 その次に貫隆夫顧問より「ピースボート世界一周の旅」として、3ヶ月以上の世界を巡る船旅の様子を発表いただきました。ピースボートの存在は知っているものの、乗船した人は少なく、その情報も本やテレビなどの編集方針に従わざるを得ません。しかし、多文化社会研究会の中で認識を共有されている貫先生からのお話は興味深く、新たな発見を参加者にもたらしてくれました。加えて、今春発表される多文化研の記念誌へ寄稿された「移民が受ける暴力の3類型」との視点を通じて検証が加えられたことは、大変貴重な機会でした。

 昼食会場で議論が深まった後は川村理事長の御自宅の会場にて、新たに多文化研へ加わって下さった鈴鹿医療科学大学の田中和奈教授が「日本とイギリスの高齢者ケア」と題し、英国での看護師体験から日英のホスピスケアと看護学の相違点を報告してくださいました。