【多読味読<47>:万城目正雄「総論:人口減少社会の現状と海外人材がもたらす発展」『プレス技術』2019年12月特別増大号。日刊工業新聞社】
川村千鶴子
NHKスペシャル「大廃業時代~会社を看取るおくりびと」(10月6日)に企業のライフサイクルの悲哀を感じられた方も多いと思います。
日本の中小企業は、存続の危機に瀕しており、廃業数は顕著に増大し、経営者の高齢化も進んでいます。展望のない事業をどうやって支えていくのでしょう。
デイビッド・アトキンソン著『新・生産性立国論』では、生産性の低い企業は淘汰され、企業数の減少はむしろ歓迎すべきであるという見解も示されました。みなさんはどう感じておられますか?
月刊『プレス技術12月号』は2つの特集を組んでいます。
特集1.「プレス現場の人手不足を解消する最新自動・ロボット化技術」
特集2.「海外人材の獲得と育成ノウハウ」
なるほど!両方とも重要そうですね!!

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万城目先生の総論「人口減少社会の現状と海外人材がもたらす発展」では、人口減少と在留外国人の増加が統計データで示され海外人材活用の動向が中小製造業における従業員数過不足DIの推移を示して解説されています。2018年、約146万人の外国人を雇用する事業所は、約21.6万か所。外国人雇用事業所の推移をグラフ化し、その雇用状況を在留資格の分野別に精査しています。産業別外国人労働者の内訳をみると実に多岐にわたっていることも読み取れます。さらに人材獲得のためのエンジニアの採用、新しい技能実習制度の活用、そして新設された特定技能制度のフローをイメージ化して作成されました。そのフローチャートを手掛かりに、私たちは、現場を訪問し、今後の展望を摸索することになるのではないでしょうか。
私の父は、戦後、焼け野原に小さな工務店を開業して、ひたすら丁寧な高品質の建築物を創造してきました。「職人さんが一番大切!」我が家は、いつも職人さんや社員の休憩室で、母はなべ料理をふるまい、皆で伝統文化の祭りと地域コミュニティを支えてきました。
そんなわけで、私は零細中小企業こそが、地域の潤滑油であり、経済活性化の源泉と思っています。
万城目先生は、今後の展望としてSDGs・企業の人権の責任を熱く説いています。2017年11月に日本経団連は、SDGsの達成に向けて「ビジネスと人権に関する指導原則」に基づいてグループ企業、サプライチェーンにも行動改革を促すように求めていました。企業の社会的責任が問われつつ人権保護に根差す雇用と企業の活力は、多文化共創社会の相乗効果と共創価値をもたらすのではないでしょうか。
<評者:川村千鶴子>