多文化研理事・加藤丈太郎(明治学院大学社会学部准教授)
2019年に特定技能制度が始まってから、5年が経過しました。特定技能者、特定技能者を受け入れている業界や地域はどのような状況になっているのかを理解すべく、この度、書籍を編ませていただきました。
特定技能制度には、たしかに日本社会における労働者不足を補う側面があります。しかし、多くの特定技能者は、青年期・壮年期に相当の年数を日本で生活していることもまた事実です。タイトルは『再考・特定技能制度ー労働力から人間へ』とつけました。
多文化社会研究会にゆかりのある、小林真生先生、宣元錫先生にもご執筆をいただいております。小林先生には「外国人研修制度から育成就労制度に至る歴史的経緯」を整理していただき、宣先生には「特定技能制度と雇用許可制の比較」を行なっていただきました。
以下、目次を共有させていただきます。
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「移民・ディアスポラ研究」13の刊行にあたって[駒井洋]
はじめに[加藤丈太郎]
第Ⅰ部 特定技能制度における歴史的経緯と産業構造の変化
第1章 外国人研修制度から育成就労制度に至る歴史的経緯――「現実との乖離」の絶えざる内包[小林真生]
第2章 日本の産業構造の変化と特定技能制度[津崎克彦]
第Ⅱ部 特定技能における受け入れ業界と地域の現在
第3章 農業――長期志向になりにくい外国人雇用[藤田典子・ロバーツグレンダ]
第4章 漁業――漁船を占めるインドネシア人、養殖に増えるベトナム人[奧島美夏]
第5章 工業製品製造業――自社養成主義を中心に特定技能者を育成[上林千恵子]
第6章 縫製業――5年遅れの追加決定と事業者の声[長田華子]
第7章 建設業――業界特有の制度運営と経路の複雑化[惠羅さとみ]
第8章 宿泊業――「特定技能」による外国人労働者の雇用はなぜ進まないのか[山口恵子]
第9章 介護業――外国人介護人材受け入れの多層構造と特定技能制度の再評価[伊藤優子]
第Ⅲ部 特定技能人材を「人間」としてみる
第10章 労働者としての権利擁護の立場から[岩下康子]
第11章 家族をもち、共に暮らす権利を考える――リプロダクティブ・ジャスティスの視点から[田中雅子]
第12章 特定技能制度と雇用許可制の比較[宣元錫]
コラム1 特定技能制度の現場から見える課題と提言[渡辺郁]
コラム2 外国人労働者の人権、人格権、そして労働者としての権利は尊重されているのか[鳥井一平]
書評[駒井洋]
おわりに[加藤丈太郎]
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よろしければぜひ、ご一読いただければと存じます。
書籍の詳細は、以下をご覧ください。
明石書店ウェブサイト
https://www.akashi.co.jp/book/b664124.html
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加藤 丈太郎