多読味読<98>【三代純平・佐藤正則編『日本語学校物語ー開拓者たちのライフストーリー』ココ出版 2024年12月】

多文化研会員各位

多文化研会員の新書をご紹介します。

三代純平・佐藤正則編 「日本語学校物語ー開拓者たちのライフストーリー』
ココ出版2024年12月

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カイ日本語スクールの山本弘子さんとはご近所付き合いなのでトークで本をご紹介します。

川村千鶴子:どんな分野でもパイオニアとなって尽力した方々の生き方は素敵ですね。

山本弘子:ありがとうございます。
「日本語学校物語ー開拓者たちのライフストーリー」は三代純平、佐藤正則さんという日本語教育分野の研究者がインタビューを重ね、9年の時間をかけて,このたびようやく刊行されました。

川村:9年は凄い!10年ひと昔と言いますが、その間にいろいろありましたね。

山本:80年代後半のアジアの留日ブームに乗って日本語学校が急増しましたが、その後、不法滞在・就労問題、神戸の震災、アジアの経済危機、SARS、東日本大震災、コロナなど、さまざまな波に直面し続けた8人、8校それぞれの物語です。

川村:年表を作成されているので、時代背景がよくわかります。

山本:最終章では、通称「箱根会議」(1997年)について、そこに集まった8人を含む30人が夜を徹して教育課題を話し合いました。
日本語学校のアイデンティティを確認し、互いに同僚意識が芽生えた大きな転換点となったことを取り上げています。

川村:日本語教育の道を拓いた情熱に、敬意を評します。

山本:序章の時代背景や執筆趣旨とともに、ぜひ多文化研の皆さんに読んでいただきたいです。山本弘子先生、ありがとうございました。

多文化研の皆様、必読書です。

川村千鶴子