【多読味読<87> 秋山肇(編)『ポスト・コロナ学――パンデミックと社会の変化・連続性、そして未来』明石書店 2022年4月】

多文化研の皆さま
理事の秋山肇です。
お世話になっております。さてこの度、私が編者となり、『ポスト・コロナ学――パンデミックと社会の変化・連続性、そして未来』を出版いたしましたので、ご紹介いたします。
https://www.akashi.co.jp/book/b603917.html
新型コロナが社会に与えた影響は一つの学問領域で分析できるものではなく、学際的な知が必要ではないかとの問題意識のもと、構想した書籍です。
2020年度に筑波大学で実施された、新型コロナに関する研究を対象とした「知」活用プログラム(https://www.osi.tsukuba.ac.jp/fight_covid19/)を基盤として、学内の様々な分野の10人の研究者が中心となって執筆しました。
私は日本国憲法に関する章に加え、新型コロナの社会に与えた影響を考える際の枠組みを提示した章の2つの章を執筆しております。
また、多文化研メンバーの明石純一先生も執筆くださっています。
ポスト・コロナ社会を考える際の今後の議論の基盤になればと幸いです。
この書籍は、社会の様々な方に読んでいただいて、ポスト・コロナの社会や、学問の役割について考えていただきたいと思って編集・執筆した書籍です。
一般の大人の方はもちろんですが、高校生や大学生にも、多くの人が身近に感じている新型コロナに関連して、社会や学問のあり方について多くの方に考えていただく契機になればと考えております。
以下に目次を貼り付けます。
—
はじめに
Ⅰ.新型コロナと公衆衛生・社会
1 新型コロナ時代の公衆衛生の役割を考える[堀愛]
2 日本国憲法の視点から考える新型コロナ対策――人権の多面性と国家の役割[秋山肇]
3 強制的テレワークにより従業員が受けた影響[マニエ-渡邊レミー・ベントン キャロライン・内田亨・オルシニ フィリップ・マニエ-渡邊馨子]
Ⅱ.新型コロナと福祉・教育
4 COVID-19感染拡大が高齢者の活動に及ぼした影響[山田実]
5 障害者の虐待・孤立の実態把握と対策――障害のある人たちは新型コロナによって影響を受けたか[大村美保]
6 障害の有無にかかわらず、学びやすいユニバーサルな学習環境[佐々木銀河]
Ⅲ.新型コロナと日本、世界
7 コロナ下のマイグレーションとマイグランツ[明石純一・大茂矢由佳・金井達也]
8 蔓延初期の日本・英国・ドイツ市民の行動変容[谷口綾子]
Ⅳ.新型コロナと芸術
9 ディスタンス・アートの創作手法分析[宮本道人]
10 COVID-19下の創造性と芸術表現[池田真利子]
Ⅴ.新型コロナとポスト・コロナ学
11 新型コロナと社会の変化・連続性――ポスト・コロナ学の構築に向けて[秋山肇]
おわりに
—
よろしくお願いいたします。
秋山 肇