多読味読<81> 大橋知穂著『未来を拓く学び「いつでもどこでも 誰でも」パキスタン・ノンフォーマル教育、0からの出発』

【多読味読<81> 大橋知穂著『未来を拓く学び「いつでもどこでも 誰でも」パキスタン・ノンフォーマル教育、0からの出発』佐伯印刷出版2021】

『未来を拓く学び「いつでもどこでも 誰でも」パキスタン・ノンフォーマル教育、0からの出発』佐伯印刷出版2021

多文化研のみなさま

多文化研(Global Awareness)が始まった80年代、私たちは、トンガ王国に本を送りました。
そして会員だった一財日本出版クラブ専務理事の大橋祥宏さんの「読書のめぐみ運動」にかかわっていました。全国の矯正施設など本にめぐまれない方々にずっと日本出版クラブを通して本を送りました。いまでもやっている方々がいます。
今年までに173万冊になります。

ベトナム人の受刑者の女性から母国語の本がどんなに励みになったか丁寧なお礼状をいただいたことがあります。
学習権は生存権だと思いました。入管施設にも母国語の本を並べて図書室をつくっていただきたいと何度もお願いしたことがありますね。
でも、まだ実現していません。

今日は、JICA緒方貞子平和開発研究所から書籍をご恵与いただきました。レターパックを開けてびっくり。
大橋さんのお嬢さんの大橋知穂さんの本です。いまカラチにいます。

『未来を拓く学び「いつでも どこでも 誰でも」-パキスタン・ノンフォーマル教育、0(ゼロ)からの出発』
ロンドン大学東洋アフリカ学院修士課程を終えて、ずっとパキスタン住んでおられたことを知りました。貧困や社会環境、災害、パンデミックなどのさまざまな理由から、義務教育の対象年齢(5~16歳)の子どもや若者のうち、44%にあたる2,280万人もが学校に行っていないパキスタン。
知穂さんが2008年にJICAのノンフォーマル教育プロジェクトの専門家としてパンジャブ州に着任した当時、周囲の協力を得るのが難しく、資金も人材も経験も信頼もない中からのスタートが書かれています。

カラチにおられて成功することは凄いことです。
「コロナ禍のいま思うことという」<終章>を読んで感動しました。
ぜひみなさまにも読んでいただきたくご紹介させていただきます。

https://www.jica.go.jp/jica-ri/ja/publication/projecthistory/post_27.html

川村千鶴子