多読味読<7>:河合優子編著『交錯する多文化社会ー異文化コミュニケーションを捉え直す』

【多読味読<7>:河合優子編著『交錯する多文化社会ー異文化コミュニケーションを捉え直す』2016年12月20日ナカニシヤ出版】
http://www.nakanishiya.co.jp/book/b253443.html

河合さん、ご出版おめでとう!!!ご恵与いただき感謝申し上げます。
人種、エスニシティ、ネイション、ジェンダー、階級、宗教などが関わる構造的力関係とアイデンティティが複雑に絡まり合う多文化社会。そうした社会を「交錯」を軸に長い間探究された成果をありがたく拝読しています。
つい言ってしまう「イタリア人」「ネパール人」「○○人」といった境界を揺さぶることって大切ですね。多文化研の多くの会員は、この抗しがたい複雑なコンテクストと多様なカテゴリーとの交錯を研究されてきたので、河合さんのご発表の機会があればとても盛り上ると思います。特にメディア分析に関しては異論・反論・加論とかいろいろありそうな気もします。・・

川村より

<目次>
◎序章 多文化社会と異文化コミュニケーションを捉える視点としての「交錯」(河合優子)
第一部 越境と混淆
第一章 トランスナショナルな家族形成における差異の交錯
――夫の国パキスタンに子と移住した日本人女性の事例から(工藤正子)
第二章 〈共に生きる領域〉における多文化的実践
――在日コリアンの「若者」の追跡調査から(川端浩平)
第二部 言説と実践
第三章 メイクアップされるブラジル人女性の生活世界(渡会 環)
第四章 日常的実践としてのナショナリズムと人種主義の交錯
――東アジア系市民の経験から(河合優子)
第三部 表  象
第五章 大久保の表象に見る文化の交錯/非交錯(田中東子)
第六章 「風景論」再考――交錯する風景『サウダーヂ』(高 美哿)
編著者
河合 優子(立教大学異文化コミュニケーション学部教授)