多読味読<78> 公益社団法人 国際日本語普及協会発行 機関誌『AJALT』

【多読味読<78> 公益社団法人 国際日本語普及協会発行 機関誌『AJALT』44号定価880円】

『AJALT44号』(公益財団法人国際日本語普及協会)

◆(川村):充実した貴協会機関誌『AJALT44号』楽しく拝読いたしました。特集「文語の力再発見―表現のスパイス」(俳人)黛まどかほか、毎回読み応えのあるインタビュー記事が満載ですね。コロナ禍で、編集作業も大変だったと思います。完成おめでとうございます。

✤(関口):ありがとうございます。
公益社団法人国際日本語普及協会の関口明子でございます。
機関誌AJALTは今号で44号です。1977年に社団法人として設立し、丁度今年度で44年です。初年度から年に1回発刊のペースで一度も抜けたことがありません。

関口明子AJALT理事長

◆(川村)オンラインの活用によって多文化研もロンドンやニューヨーク、ジュネーブ、モスクワ、アムステルダムとも気楽に交流できるようになりました。オンラインは日本語教育の世界にもどんな変化をもたらしましたか?

✤(関口)AJALTも大きく変わりました。生涯研修として月に2回会員研修を実施しておりますが、その研修のオンライン化によって、ベルギーやハワイ滞在の会員がそこから参加できました。また、教材開発の委員が途中ご主人の仕事の関係で南米に行ったのですが、今まででしたら帰国するまで数年間休会ということになります
が、 今回は教材開発会議に定期的に出席して、仕事を継続しています。また、学習者はアフリカやオーストラリアから来日できず本国で日本語レッスンを開始し、その後来日できたら日本で学習を継続するというケースが増えています。

◆(川村)AJALTの理事長として、今後の抱負を語っていただけると幸いです。

✤(関口)AJALT自身は外国の方々を対象としている組織ですから、今回のコロナ禍は真正面からの大きな痛手を受けております。入国がストップの状態ですから年間を通しての大きな事業が軒並み中止になっております。しかし、上述しましたように、オンラインになったからこそ広がった多くのグローバル化現象を活用し。努力していこうと思っています。
また、40年継続して携わっている難民を含む外国人定住者の人々が日本の人々以上にコロナ禍で大変な思いをしています。また、ミャンマー出身の難民や定住者の現状も見過ごせません。課題は多くあります。
まず、そのようは定住者の状況を知ること、そしてそれをできるだけ多くの人々に知ってもらうことだと考え、その普及活動を進めています。
コロナ禍で世界中が同じ苦しみの中にいます。今こそ実は世界が一緒に平和のために一つになって協力する方向を創るチャンスなのではないでしょうか。

◆(川村)政府は7月12日から東京都に4度目の新型コロナウイルス対策の緊急事態宣言を適用するそうですね。感染対策と日本語教育を両立さえる協働・共創の力を感じました。

ありがとうございました。これからもよろしくお願いいたします。

川村千鶴子