【多読味読<77>:川村千鶴子・宣元錫 共編著『異文化間介護と多文化共生』明石書店】
皆様
7月7日、七夕飾りには、どんな願い事をなさいますか?
無理のない介護ケアと痛みのない安らかな日々を祈りました。
パンデミック激動の世界で “介護崩壊”の危機が報道されています。
異文化間介護にも気づき愛が必要です。
✤『多文化共創社会への33の提言―気づき愛Global Awareness』都政新報社2021
★介護人材―外国人介護士との協働の道のり 二文字修(75ページから)
★外国人高齢者への介護支援―アフターコロナを見据えた協働と強調 李錦純(80ページ~)
の介護人材と介護支援に関する過去・現在・未来に関するお二人の論考が光彩を放っています。高齢化社会を考える基礎として、ぜひぜひ、ご高覧くださいませ。
思えば、介護地獄・介護殺人・介護自殺といった言葉は、ずっと以前からありましたね。多文化研が、ジェロントロジーに取り組んだのは2000年代。 覚えていらっしゃいますか。
多文化社会を調査研究してきた8名の執筆者たちが多民族・高齢化社会の課題を浮き彫りにし、一冊の本に結実しました。宣元錫・川野幸男・渡辺幸倫・李錦純・堀内康史・藤田美佳・椙本歩美と川村の取り組みでした。
✤ 川村千鶴子・宣元錫 共編著『異文化間介護と多文化共生 誰が介護を担うのか』明石書店(2007年)をご紹介します。
http://www.akashi.co.jp/book/b65526.html

異文化介護と在日外国人の高齢化を見据え、多文化社会の課題を明らかにし、ケアと介護の本質を考察し、老後を支えあう協働・共創社会に向けた課題を提起しています。
まえがき
第1章 異文化間介護の視座(川村千鶴子)
1 多文化社会の高齢化と問題の所在
2 異文化間介護の背景
3 なぜ異文化「間」介護なのか
4 異文化間介護の研究課題
第2章 看護・介護分野の外国人受け入れ政策とその課題(宣元錫)
1 受け入れ政策の動向
2 政策動向の背景
3 受け入れ政策をめぐる国内の議論
4 政策のゆくえと課題
第3章 在日コリアンの高齢化とエスニシティ(川野幸男)
1 日本の年金制度における在日コリアン
2 在日コリアンの高齢者問題への対応と身分的名誉
おわりに――エスニック集団としての在日コリアン
第4章 在日コリアン高齢者の介護の現状と課題――在日コリアン高齢者への実態調査から(李錦純)
1 在日コリアン高齢者の人口の動向と歴史的背景
2 在日コリアン高齢者と介護保険
3 在日コリアン高齢者を対象とした実態調査
4 今後の課題・展望
第5章 中国帰国者の高齢化――帰国二世の視点から見る年金・介護保険の現状と課題(藤田美佳)
1 中国帰国者の高齢化と生活実態
2 年金――受け取れた父と受け取れなかった母
3 介護保険――運営上の盲点
4 多文化社会における高齢化と異文化間教育――生活者の視点から
第6章 高齢化する外国人の社会保障、その現在と未来――新宿区のデータから(堀内康史)
1 新宿区の現状
2 新宿区在住外国人の社会保障への加入状況
3 健康保険への加入状況と各属性の関係
4 年金への加入状況と各属性の関係
第7章 介護者送り出し国フィリピンの事情――誰と介護を担うのか(椙本歩美)
1 統計から見るフィリピン海外就労の状況
2 フィリピン海外就労の歴史
3 海外就労の背景――なぜ、海外に行くのか
4 日本へのフィリピン人介護士導入をめぐって
第8章 海外で老後を過ごす可能性――介護・医療を目的に移動する人々、タイ王国の事例から(渡辺幸倫)
1 介護・医療を目的に移動する人々
2 シルバー・コロンビア計画の失敗
3 政策としての定年者受け入れ(タイ王国の場合)
4 タイの日本人向け介護施設
5 タイの日本人向け医療施設
6 介護つき旅行
多読味読では、一冊一冊の本に真摯に向き合ってきました。最近、長い巣ごもり生活には「読書」が強く見直され、出版業界は<読書回帰の流れ>に目を見張るものがあると語っておられます。
多読味読<77>は七夕にちなんで異文化間介護の幸せを祈ります。
川村千鶴子