多読味読<50>:『3.11後の多文化家族ー未来を拓く人々』

【多読味読<50>:『3.11後の多文化家族ー未来を拓く人々』(明石書店2012年3月1日)】

こんばんわ。

覚えておられますか。3.11東日本大震災とその後。
2011年、すざまじい廃墟に直面し、その年の死者は1万5841人、行方不明者3493人、避難者は約33万人(2011年12月)という厳しい位相に生きてきました。岩手・宮城・福島の3県では失業手当受給者が1年だけで6割も増え、雇用情勢の厳しさが「生きる」闘いを一層困難にしていました。
大津波のうねりと原発事故は、原子力の安全神話を否定しました。
まさにその年、多文化研のこのMLが1000件以上も流れて多言語や除染などの情報を流しました。アンケート調査をもとに「つながる」をテーマとして社会言語学者の荒井幸康さんが論文を寄稿してくださいました。
日本のエネルギー基盤の脆弱性を露呈させ、時の断絶を映し出したとき、荻野政男さんが、「ふくしま国際メデイア村」代表となって民家の除染作業に尽力されました。

http://www.fukushima-news.com/ja/news/72

人口移動を分析して日本社会を再考したのが郭潔蓉さん。
チョウチョウソーさんが、難民の方々とバスに乗って被災地を訪れました。「助けるのは当たりまえ」を執筆しました。
表紙は、金澤さんのお母様の後ろ姿とご実家の写真です。

https://images-na.ssl-images-amazon.com/images/I/51H7sJJeVKL.SX309_BO1,204, 203,200.jpg

第1章:被災地市民の歴史          /金澤宏明

第2章:変わる被災地いわき市のコミュニティ/荻野政男

第3章:多文化家族を感じる         /リリアン・テルミ・ハタノ

第4章:家族とつながる            /荒井幸康

第5章:県営いちょう団地にみつ多文化家族の動き/長谷部美佳

第6章:外国人妻の被災地支援    /李仁子

第7章:多文化家族の課題と可能性 /武田里子

第8章:多文化「共有」の視点からみる/李ほひょん

第9章:多文化空間の人口移動分析 /郭潔蓉

第10章:未来を拓く多文化家族    /川村千鶴子

多文化研は、被災の当事者であり、実践者であり風化してはならない「歴史」を残す<doing history>の旅に出ました。それから9年が経ったのですね。

「安心の居場所」はどこにあるのでしょうか?

川村千鶴子🐢 🐢 🐢 🐢