多読味読<3>:小泉康一・川村千鶴子編著『多文化「共創」社会入門ー移民・難民がともに暮らし、互いに学ぶ社会へ』

【多読味読<3>:小泉康一・川村千鶴子編著『多文化「共創」社会入門ー移民・難民がともに暮らし、互いに学ぶ社会へ』慶應義塾大学出版会】
Multicultural Synergy: Conceptual Challenges and Practical Solutions in the Age of Global Migration
2016年10月31日、慶應義塾大学出版会 2200円

多文化共創社会

https://www.keio-up.co.jp/np/detail_contents.do?goods_id=3274

まえがき   川村 千鶴子
第1部 移民・難民理解へのアプローチ
第1章 学びの多様性と多文化共創能力
―― 親密圏と社会統合政策   川村 千鶴子
はじめに
1 フォーマルな学びとノンフォーマルな学び
2 親密圏と統計資料には見えない数値
3 難民とともに生きる――人道危機と国際社会を学ぶ
4 日本人の多様性――海外帰国子女から学ぶ
5 人の異なりと多重知能理論
6 生涯を通して学び合う ―― ライフサイクルの視座
おわりに
第2章 多文化と医療
―― 性と生殖を守るために   五十嵐 ゆかり
はじめに
1 医療現場における課題
2 課題の解決のために、あなたは何ができるか
3 リプロダクティブヘルス・ライツとは
おわりに
第3章 家族の変化を知る
―― 多文化な家族と地域社会   渡辺 幸倫
はじめに
1 日本在住の国際結婚家庭の状況
2 中国や韓国に住む日本人の父親のケース
おわりに
第4章 多文化共生の担い手を育てる
―― 群馬県大泉町での日本語教育   齋藤 俊輔
はじめに ―― 多文化社会における日本語教育の重要性
1 大泉町におけるブラジル人コミュニティ
2 大泉町における日本語教育
おわりに
第2部 多文化共創まちづくりへの基礎知識
第5章 エスニック・コミュニティと行政の役割
―― 外国籍住民が「主体」になるために   長谷部 美佳
はじめに
1 日本のエスニック・コミュニティの現状
2 エスニック・コミュニティの役割と限界
3 エスニック・コミュニティと行政の連携
4 エスニック・コミュニティと地域、市民団体との連携
5 外国籍住民――支援対象から地域の主体へ
おわりに
第6章 企業が取り組む多文化共創
―― CSRとダイバーシティ・マネジメント   郭 潔蓉
はじめに
1 グローバル化と企業組織の多国籍展開
2 外国人雇用の傾向と課題
3 「ダイバーシティ・マネジメント」とは
おわりに
第7章 日本の移民・難民政策   藤巻 秀樹
はじめに
1 移民政策不在の日本
2 社会統合への模索
3 難民鎖国ニッポン
4 グローバル人材を求めて
おわりに
第8章 エスニシティの形成と創造
―― マジョリティ・マイノリティ関係の動態   川野 幸男
はじめに
1 マジョリティとは何か ―― 喪失と忘却の共同体
2 エスニシティの形成 ―― 国家とマジョリティの役割
3 マイノリティを引き受けること ―― 創造するエスニシティ
4 マジョリティの観点 ―― 加害や犠牲の事実に真摯に向き合う
おわりに
第9章 外国人の市民権とは
―― グローバル市民への視点   錦田 愛子
はじめに ―― 人はなぜ移動するのか
1 人を守る仕組みとしての市民権
2 国籍の取得をめぐって
3 市民となるための葛藤
4 多文化社会をめぐる課題
おわりに
第3部 人の移動から世界を読み解く
第10章 現代世界の人の移動
―― 複合する危機と多様な人々   小泉 康一
はじめに
1 危機の時代
2 難民/移民の区分に合わない人々
3 高くなる国境の壁と密輸業の隆盛
4 出口が見えない解決への道筋
おわりに

第11章 人はどう動いてきたのか
―― 世界の変化と人の移動   池田 丈佑
はじめに ―― 「ホモ・モーベンス」としての人間
1 自然環境と移動
2 宗教と移動
3 迫害と移動
4 移動と主権・国家
おわりに
第12章 世界は人々をどのように守ってきたのか
―― ルール・組織と活動・恒久的解決   上野 友也
はじめに
1 難民を守るためのルール
2 難民を守るための組織と活動
3 難民の問題を解決するためには
第13章 私はどこに属しているの?
―― 無国籍に対する国際的取り組み   新垣 修
はじめに
1 無国籍者の地位に関する条約
2 無国籍の削減に関する条約
3 UNHCRの役割と活動
おわりに
第4部 21世紀をグローバルに考える
第14章 途上国では、いま何がおきているのか
―― ソマリアの事例から   杉木 明子
はじめに
1 ソマリ社会とソマリアにおける紛争
2 ソマリアにおける国内避難民問題
3 ケニアにおけるソマリア難民の状況
おわりに
第15章 難民流入に対するEUの移民・難民政策   久保山 亮
はじめに
1 移民・難民政策の「共同体化」はどこまで進んだか
2 EUと難民 ―― 「要塞ヨーロッパ」の高い壁
おわりに
第16章 国境を越える民、国家を超える人権
―― 移民・難民の人権保護と国際人権法   藤本 俊明
はじめに
1 人権保護としての移民・難民の保護
2 国際人権法における移民・難民の人権
3 日本における移民・難民の人権保護
おわりに
第17章 難民の定住と心的トラウマの影響   森谷 康文
はじめに
1 定住に先立つ体験
2 難民の体験が与える定住生活への影響
3 日本における難民の定住支援の課題
おわりに
第18章 移民・難民への見方を問い直す
――〝新しい人道主義〟を超えて   小泉 康一
はじめに
1 難民は各自違う
2 〝人道〟という言葉の危うさ
3 〝模範的な人道主義〟と〝政治的な人道主義〟
おわりに
あとがき   小泉 康一
資 料