【多読味読<19>:小泉康一著『変貌する「難民」と崩壊する国際人道制度-21世紀におけ
る難民・強制移動研究の分析枠組み―』ナカニシヤ出版3800円2018年2月27日339頁】
http://www.daito.ac.jp/education/international_relations/department/relation
/news/details_24341.html
小泉康一先生
この度、ナカニシヤ出版から上梓された『変貌する「難民」と崩壊する国際人道制度-21世紀における難民・強制移動研究の分析枠組み―』、ご恵贈いただき、心から感謝申し上げます。毎日、毎日、有難く拝読させていただきます。『危機移民』という新しい言葉、先生が付けられたのですね。困難を極める人々の現状を少しでも変えていくことができるのだろうか。
第5章、都市難民の揺れ動く心と不安定な生活。かつて新宿の難民たちを支援してくださった木村妙子氏や多くの支援者がこの本を手にすることができたら、感動と感謝の涙が流れたことと思います。第6章の気候変動と強制移動。キリバス、ツバル、モルジブ、バヌアツのところ、興味深く拝読しました。いつもひたすら、理論的な見通しをもった革新的研究への地盤を築くために尽力されてきた先生の深い人間愛を感じています。
『国際強制移動の政治社会学』(勁草書房)、『グローバリゼーションと国際強制移動』(勁草書房)、『国際強制移動とグローバル・ガバナンス』(御茶の水書房)に続いて、難民・国際強制移動研究のさらに大きな成果を一冊にまとめられ、私にとってはとても近寄りがたい存在です。
でも4月からまた東松山の学バスでご一緒できると思うと何てラッキーなんだろうと思います。
多文化研には、難民研究者と実践者が大勢おります。どうぞ今後ともご指導賜りたくよろしくお願いいたします。
先生のご厚情に感謝を込めて。
川村千鶴子