【多読味読<14>:五十嵐ゆかり「多国籍化する医療現場の多文化共創を目指して―異なる言語を課題とする認識からの脱却―」『国際人流10月号』】
『国際人流10月号』公益社団法人入管協会、拝読しました。
【多文化「共創」の国・日本】のリレー連載の第8回目です。タイトルは「多国籍化する医療現場の多文化共創を目指して―異なる言語を課題とする認識からの脱却―」
五十嵐ゆかり(聖路加国際大学大学院看護学研究科准教授)
・日本における人口潮流
・外国人の受け入れに対する政策の動き
・多国籍化する医療現場
・共創を阻む課題
・「異なる言語が課題である」という認識からの脱却
・医療現場の多文化共創をめざしてご存知のように2011年から「医療滞在ビザ」の発行が可能になりました。
「外国人医師や看護師の受け入れ」に関しては、13年の国家再興戦略の中でも取り上げられましたが、08年から実施しているEPA(経済連携協定)に基づくインドネシア、フィリピン、ベトナムからの外国人看護師・介護福祉士の受け入れの促進を目指しています。五十嵐さんは、近い将来、医療現場においても同僚が外国人という状況に変わっていくと予測されています。
トランスカルチュラル・ナーシングと国際医療研究に長年携わった五十嵐さんは、医療現場における多文化共創に最も必要なことは、「語学力だけが重要ではないという共通認識」と指摘されています。
つまり異なる言語を課題とする呪縛からの解放が大きなポイントであると言えると結んでいます。五十嵐さんの論稿は、国際医療を考える上に大変示唆的です。
【多文化「共創」の国・日本】のリレー連載は、来年の3月まで毎月続いていきます。ぜひご高覧くださいませ。
川村千鶴子