【多読味読<12>:稲葉佳子・青池憲司著『台湾人の歌舞伎町ー新宿、もう一つの戦後史ー』紀伊国屋書店2017年9月29日発行1800円】
稲葉佳子さん
紀伊国屋書店さんからのご出版、本当におめでとうございます!!!
表紙が素敵ですね。
台湾人の歌舞伎町 新宿、もうひとつの戦後史終戦までの50年間も、日本の統治下にあった台湾。8万人あまりが“日本兵”として戦争に駆り出され、戦前から日本に“内地留学”をしていた者も多くいた、とあります。
しかし戦後は、一転して、“外国人”として裸一貫で放り出されたのです。台湾の人びとは駅前のヤミ市で財をなし、焼け野原に新たに構想された歌舞伎町という街を創造しました。そうした激動の歴史を8年もの歳月をかけて稲葉さんと青池監督が、オーラルヒストリーを丹念に聴取しました。その後、明晰化した社会的位相を稲葉さんが執筆し、日本の多文化社会に明らかにした貴重な一冊です。
いかにして日本の多文化社会が生まれたのかが分かります。
素晴らしい名著をご執筆くださり世に送りだしてくださってありがとう。
明治生まれの私の父も大正生まれの母も歌舞伎町が大好きだったのでこの本を手にしたら本の登場人物に再会したような興奮状況になると思います。多文化研の下村治生議員も登場しますね。新宿三田会の方がたもこの歴史の証言者たちです。私は、いつも“職安通り”を“清濁併せ呑む河”として渡る時は、船を漕いでいるような気分になります。
多文化研のみなさん、ぜひゆっくり拝読して、来春にでも合評会をしましょう。
新宿歴史博物館の講堂がいいですね。私も『多文化都市・新宿の創造』慶應義塾大学出版会を上梓させていただき、紀伊国屋書店さんがブックフェアを長期にしてくださいました。
稲葉さん、ぜひ、この本の裏話とか、構成でご苦労なさったところとか
面白いエピソードがあれば、この多文化研MLでご披露くださいませ。
以下は著者のプロフィールと、稲葉さんに送っていただいた詳しい目次です。
写真の迫力がすごいので、パワーポイントで見せていただけるといいですね。
【著者】
稲葉佳子(いなば・よしこ)
1954年生まれ。法政大学大学院デザイン工学研究科兼任講師、博士(工学)。都市計画コンサルタントを経て、2008年よりNPO法人かながわ外国人すまいサ
ポートセンター理事。2012年から新宿区多文化共生まちづくり会議委員。著書に『オオクボ 都市の力――多文化空間のダイナミズム』(学芸出版社)、『外国人居
住と変貌する街』(共著、学芸出版社)、『郊外住宅地の系譜――東京の田園ユートピア』(共著、鹿島出版会)ほかがある。
青池憲司(あおいけ・けんじ)
1941年生まれ。映画監督。監督作品に『ベンポスタ・子ども共和国』(日本カトリック映画賞)、『琵琶法師 山鹿良之』(毎日映画コンクール・記録文化映画賞)、『野田北部・鷹取の人びと』全14部(日本建築学会文化賞)、『阪神大震災 再生の日々を生きる』、『3月11日を生きて~石巻・門脇小・人びと・ことば~』、『津波のあとの時間割~石巻・門脇小・1年の記録~』ほかがある。
【目次】—————————–
はじめに 歌舞伎町、ふたつの物語
第1章 ルンバの青春 1945-49 虚脱から再起へ
“やんちゃ”少年、内地へ留学する
ヤミ市から始まった戦災復興
喫茶店〈ルンバ〉の時代
新宿西口マーケットの“中華街”
第2章 〈地球座〉から始まった歌舞伎町 1945-49 理想と停滞
鈴木喜兵衛が描いた理想のまちづくり
林以文、〈地球座〉に出会う
未だ見えぬまち
〈芙蓉館〉からラブホテル街へ
第3章 「歌舞伎町」前夜 1950-54 焦燥から光明へ
“博覧会”という宴のあと
駅前の“ヤミ市”去って、歌舞伎町に“青線”来たる
〈新宿劇場〉に受け継がれた赤い風車
パチンコとヤキトリで賑わう新宿西口マーケット
第4章 “じゅく文化”の裏に台湾人華僑あり 1955-64 胎動から興隆へ
“じゅく文化”は名曲喫茶から
娯楽のまちと暮らしのまち
新宿西口マーケットの消滅
第5章 台湾人が愛した歌舞伎町 1965-74 爛熟、そして変容
華僑ストリートになった花道通り
新宿・歌舞伎町の“ザ・台湾人華僑”たち
去りゆく戦後
おわりに 再開発のなかの歌舞伎町
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もっと歌舞伎町を知りたい方は、
武岡暢 『生き延びる都市 新宿歌舞伎町の社会学』があります。
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川村千鶴子