バンコクの本屋さん

茅野礼子

2016年、初めてバンコクを訪ねました。二人の娘を持つ私ですが、それは突然、やってきました。「ママ、110万貸して。かならず、返すから」

私は、二人の娘を持つシングルマザー。大学の入学金にも相当する金額。「タイの学校に行きたいの。」「え、でも、もう大学出たのに。」 私はいろいろ聞くのが苦手。お金ないけどしかたがない、出しました。1年で帰ると思ったら、2年目も。2年目は帰ってバイトしていました。2年目、彼女の大学を訪ねたら、何と、大学院に行っているとか。

牛が、草を食べる風景が広がるのどかな牧草地に、大学院は、ありました。その当時、アメリカの方が大学を国で終え、大学院に入学する日本語のお手伝いをしていました。何と、その友達のカンボジア難民のコキー・サリーさんが、オーストラリアから日本に来ていました。彼は、カンボジアに学校を作るべく、いくつもの学校で英語を教えていました。娘と二人で、カンボジアの村に入り、土砂を運んで、一から学校作りを手伝いました。

話がそれて、しまいましたが、その後、タイに戻り、バンコクの日本スーパーで、買い物をし、バンコクを満喫しました。そして、2021年、突然、下の娘が「タイに赴任することになったの。」フルブライトで1年アメリカのロサンゼルスにいて、毎日新聞に就職して、岐阜に2年いました。前に行った時、タイ語の難しさをひしひしと、感じました。待ったなし、彼女は、旅立っていきました。それから毎年、タイを訪れる今日、この頃。

行くと、必ず訪れるのが、バンコクのプルンチットにある本屋さん。高い建物で、15階には、日本料理の、鰻やさんや寿司屋さんがあります。本屋さんというと、日本では紀伊国屋を思いだします。よほどの精神的、時間的余裕がないと、私などは、本のタイトルと著者名、出版名を書いて、お店の方に「この本ありますでしょうか。」となります。

しかし、タイの本屋さんは、違うのです。まず、書棚の横に、ゆったり、座れる椅子があって、大きなぬいぐるみがいて、迎えてくれます。かなり、大きなスペースをとって、滑り台と小さな子供が遊べるスぺースがあります。新宿紀伊国屋の3倍以上あるので、音で、静寂が乱されことも、ありませんし、ランチのぱっさい、飲み物類も豊富にあります。そして、ギター、ウクレレの演奏もOK。もう5回位行っているのですが、一度も、うるさいと感じたことが、ありません。外は、東南アジアも車社会が席巻しているので、うるさいのですが。人の会話も、天井が高く、広いので、吸収されて、考え事も出来ます。

ある統計では、世界一本を読まない国民だと言われていますが、このアイデアは、グットアイデアだと思いました。いつも、短期間の滞在なので、バンコクの事、何も知らないと言ったほうがよい、私の「バンコク便り」です。

2024年10月21日 茅野 礼子