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Society for Multicultural Community Studies /Global Awareness
2007年12月07日
『 多 文 化 社 会 研 究 会 ニ ュ - ズ レ タ - 82号 』
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トピック:次回研究会(12/22)、総会のお知らせ(12/22)
<ごあいさつ>
すっかり日も短くなり、寒さも本格的になってきましたが、いかがお過ごしでしょうか。
前回(11月11日)の研究会では、イ・ホヒョンさん(早稲田大学非常勤講師)から、子どもを新宿区内の保育園・幼稚園に送る韓国人養育者の教育観について、ご自身の経験も交えながらお話いただきました。その後は、当会のメンバーでもある共住懇の山本重幸さんを囲んで新宿の今について語りあい、とても有意義な時間となりました。
さて、次回は藤田ラウンドさんの新宿で育つバイリンガル・マルティリンガルの子どもたち」と明石純一さんの「シンガポールの外国人受け入れ政策」2つの研究発表の後、2007年度の会計報告、及び総会を開催いたします。
<次回研究会のお知らせ>
日時:2007年12月22日(土) 午後2時~4時半
参加費:会員無料、会員外500円
場所:大東文化大学法科大学院(信濃町校舎)(JR信濃町駅下車、信濃町駅ビル3
階、日曜用の入場経路は添付ファイルをご参照ください)
1.研究発表 テーマ:多文化共生政策を考える(2時から4時)
1) 藤田ラウンド 「新宿で育つバイリンガル・マルティリンガルの子どもたち」
バイリンガルの子どもをめぐっては、1970年の高度成長期を背景に海外で教育を受ける日本国籍の二言語話者の子どもたちが「帰国子女」という文部省の用語で社会的に認知されるようになった。さらに、1980年のバブル期を背景とした日本の「国際化」志向により、日本社会の中での英語教育がいわゆる「バイリンガル」になることと結びつく文脈が生まれ、21世紀になった現在においてまで「英語」の優位性とバイリンガルのイメージが切り離すことが出来ない状況にある。
日本の国際化のイメージのもとに作られた「バイリンガル」とはしかし、日本国籍者が母語である日本語に加えて別の言語を身につけることが想定されているわけであり、「バイリンガル」本来の「二言語使用者」という概念とはかけ離れている。では日本では日本国籍者以外の日本社会に存在する二言語使用者は「バイリンガル」ではないのだろうか。
本発表では、今後の日本社会に存在する「バイリンガル」をめぐる議論のために、改めて二言語を身につけることがどのようなものかを新宿区で「二言語話者」となった子どもを事例として取り上げ、「バイリンガル」をめぐる論点を洗いなおしてみたい。
2)明石純一 「シンガポールの外国人受け入れ政策」
本報告は、2007年11月に実施したシンガポールにおける現地調査の結果にもとづき、その外国人受け入れ政策の制度的特質と受け入れ実態を検討するものである。シンガポールは、外国人を労働力(人手)として、あるいは高度人材として受け入れてきたアジアの老舗といえる。
順調に経済発展を遂げてきたこの都市国家は、国内労働力が早い時期に枯渇し、外国人の受け入れにおいて日本や韓国、台湾といった国や地域に先んじたのである。それゆえにシンガポールは、 どのような基準にもとづいて外国人を受け入れるのか、多様なエスニックや出自をいかに包摂し調和的社会をいかに実現するのかといった問いに、これまで絶え間なく直面してきた。
本報告では、シンガポールにおける外国人受け入れ問題の概要を述べつつ、特にその政策動向と実態的側面を明らかにしたい。加えて、外国人労働者の権利や待遇をめぐり、市民社会的な意識が局所的ながら高揚している点も指摘する。
2.多文化社会研究会 2007年度 総会(4時から4時半ごろ)
1)会計・活動報告 堀内康史
2)2008年度にむけて 川村千鶴子
以上